嘆きの塔
暗い暗い、塔の中
どこまでも螺旋階段だけが続く
いつから登っているの?
窓にはガラスもなく
冷たい風が容赦なく入ってくる
見える空はどこまでも重い灰色
「これが人生だよ」と声が聞こえる
私が望んだんですか?
ここに来ることを望んだんですか?
ふらついて
転んで
壁にぶつかって
血が流れても
休む場所はどこにもない
ふと一瞬
窓に影が差した
何かが落ちていったように見えた
ああ、なるほど
こんな苦行をやめるには
あんなふうに 窓から逃げるしかないのか
よじ登って 飛ぼうとして
震える足が 飛び出すのを拒む
逃げられもしない弱虫は
今日もべそかいて
意味もわからずただ登る
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