第7話 因縁
10年程前のことだっただろうか
哲也は、まだシーカーをやっていたときだった。
哲也には、息子がいた。
ある日、息子が公園で人様からボールを奪ってきてしまった。決してやっては、いけないことだ、しかし、子供がしたことだ、後日公園に行って返そうと思った。
だがその日の夜、玄関激しく叩かれた。
「おい、いるか」
そう言われて玄関に出るとそこには、チンピラとフードをかぶった男がいた。
「なんだ、お前ら喧嘩売ってんのか?」
私は、その時は、負けたことがなく自分が最強だと過信していた。
「お前が勝てるわけないだろ」
「なんだと!!」
そしては、私は、チンピラに殴りかかった。
容易く威勢の良かった男は、あっさり倒された。
しかし、フードの男だけは、違った。
俺の能力が危険反応を示していた。
逃げろとしかし、この状況で逃げる事は、絶対に出来なかった。
フードの男は、刀を取り出した。
そして切り掛かってきた哲也は、相手のが出す音を聞いて見事にかわす。
しかし、避けるにつれて攻撃スピードが上昇して行った。
反撃しようにも、避けることが精一杯だった。
必死にかわしていると刀が緑色に光り気づけば腹部が切り裂かれていた。
あまりの痛みに、蹲ってしまった。
そして、出血の量で視界が暗くなり気付いたら、病院のベッドの上だった。
息子と妻は、どうなったのだろう。
目を覚ますと最初に警察がなぜか、俺に会いに来た。
「長谷川さんですね、実は、息子さんと奥さんが遺体で発見されました。」
俺は、絶望した。
自分の無力さに、そして愛する家族を守れなかったことに
この事をきっかけにシーカーを俺は、辞めた。
そして、復讐するためにそしてアイツのことを知る為に警察になった。
そして、家族を殺した奴が魂狩りと呼ばれるB級危険人物だと知ったのは、5年後だった。
そして今、夜道を1人で歩いている復讐の相手であるアイツを見つけた。
アイツが極星会の人間と知りここ三日間張り込んでいたら、案外早く出てきた。
「ちょっといいかお前、魂狩りだろ」
フードを被りそこから緑色の髪の毛が少し見えている
「その呼び名を知ってるってことは、お前シーカーかそれとも警察?」
「シーカーだったのは、昔の話さ、お前に家族を殺される前の話だ」
「すまないが一々殺した奴のことなど覚えない」
そういうと、奴は刀を抜ききりかかって来た。
避けていくがそれにつれてどんどん速くなってくる
だが以前の前の私では、ない
“パチーン“
刀が折れた。
私は、対刀用に特注した警棒を用意していた。
絶対に刀では、折る事が出来ない素材だ。
「アルライト鉱石の警棒か」
「そうだ、お前を殺す為に準備して来たんだ」
アルライト鉱石で作られたもの、絶対に刀では折れないだが、刀などそんなに持っているやつもいないため作っても無駄だと巷では言われている
しかも、水中の深いところからしか産出されずとても高価なものだった。
「たとへ、どんな小細工をしようと無駄なことお」
そういうとフードの男は、小さなナイフを取り出した。そして、ナイフを力強く握った瞬間刀身が赤色に光った。
「それが、刀納か」
奴の能力は、もう割れている。
他人の能力を刃物に付与する事が出来ると分かっている。
「なんだ、知っているのかこれは、最近殺したガキの能力だよ。」
斎藤君のことならば炎関係だろう
そう言って再び切り掛かってきた。
さっきの様に警棒でナイフを受けてしまったら恐らく
熱によって壊されてしまうだろう。
幸いにもナイフの為刀身が短い為余裕を持ってかわせる。
「クソが」
そう言いうとフードの男は、大きく振りかぶった。
その瞬間刀身から炎を纏った斬撃が飛んできた。
間一髪の所でかわすと裂けた先にあった気が縦に真っ二つに切られた燃えていた。
「おい、まじかよ、」
困惑しながらも間合いを取りつつ攻撃をかわしなが
警棒で少しずつ反撃していった。
一髪警棒が男の肩をかすめた。
「やめだ、やめだ、遊びは終わりだ」
そういうとナイフの刀身の色が黄色になった。
そして、ナイフの刃先を下にして地面に落とした。
すると、刃先は、地面に刺さらずそのまま地面を擦り抜けた。
次の瞬間、右足に激痛が走った。
足元を見ると無数にナイフが地面から飛び出ていた、その一本が自分の右足に刺さっていた。
あまりの痛みに膝から崩れ落ちた。
そして、顔を上げるとフードの男がナイフを掲げ振り下ろしてきた。
「いま、お前たちの所に行くよ」
そう、呟いたときだった。
「諦めるのは、ちょっと早いぜ」
知らない男がフード男を殴り飛ばした。
「あんた、逃げろアイツは、B級危険人物だぞ!」
「大丈夫だ、俺は、A級だ」
そう言うと男は、殴り飛ばしたフード男の方に向かった。
フード男は、すでに起き上がりナイフを持っていた。
「痛いなー!!」
そう叫びながら切り掛かった。
しかし、ナイフの刃が届くより何処からともなく鎖が現れて男をグルグル巻きにしてしまった。
「なに?!動けん」
「ちょっと寝ててもらうよ」
そう言い男は、フード男をボコボコに殴ってしまった。そして、フード男は気絶した。
「どうしてここに来た」
尋ねると男は、後ろで燃えている木を指さした。
「火が燃え移るといけないと思ってここにきたらまさか、こんな事が起きているなんて思ってもいなかったよ。」
「あんたは、てか何もんだ?」
「俺は、坂田修斗だ、そしてシーカーだ」
「俺は、長谷川哲也だ警察をやっている。昔は、シーカーを俺もやっていたこいつとは、因縁があってなアンタには、助けられたよ」
そう言ってグルグル巻きにされている男に目を見つめた
「こいつの処分を俺に任せて欲しい図々しい頼みだとわかっている、だがどうしてもこいつだけは、、」
B級危険人物を倒したとしたら報酬は、500万はくだらないだろう
「長谷川さん、別にいいがそいつをどうする?」
「殺す」
その目には、憎しみと決意が込められていた。
大抵、その目をした人は、大切な人を殺された人がする。
「事情は、察するよでもそいつを殺しても大切な人は、帰って来ないよ。
そして、殺人を犯そうがそいつらと同等だよ、法は、守ってくれるけどね」
「分かっている、しかし、どうすればいいこの気持ちを憎しみを、、、」
そう叫ぶと坂田は、ギュと抱きしめた。
「俺も、家族を殺されたんだ、辛かったよ、憎かったよでもね、次に同じ思いをする人が出ないようにと思ってシーカーになったんだ、長谷川さんもシーカーだったんでしょなんで?」
そう聞かれて、思い出した。
シーカーとして活動していた時を誰かを守りたかった
そして、誰かに必要とされたかった事を。
そして、坂田の胸で泣いてしまった。
結局、フード男を警察に引き渡した。
そして、能力封じの手枷をはめられて、連行されていった。
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