暗躍する者

第6話 面会

誠也は、とても驚いていた。

昨日カツアゲされた斎藤君が亡くなった事を学校で知ったからだ。

誠也は、学園生活で斎藤と徐々に打ち解けれて親友になるビジョンを描いていたからだしかし、我に返りよくよく考えたら、そんなアニメのような展開は、来るとは、思えないかったがそんな事を思ってしまうほど友達と呼べる存在が欲しかった。

今日室に入ると斎藤の話で持ちきりだった。

一人、席で俯いて暗い顔している、楓がいた。

「どうしたの？」

「私のせいで斎藤君が…」

「楓のせいじゃないよ。楓は、俺を助けてくれただろろ、それに楓が動いてなかったら、俺アイツ殺しちゃってたし」

言葉は、悪いが楓は、自分の事を気遣ってくれたのだろうと思った

すると教室の扉が開き楓が先生に呼ばれてた。

「じゃちょっといってくるね」

楓は、自分が呼ばれた理由を察していた。

「いってらっしゃい」

楓は、別れを告げて、職員室に向かった。

職員室に入ると二人の警官と思われる男性がいた一人は、60歳ぐらいのおじさんだったが体は、鍛えぬかれていた。もう一人の20代ほどの男性は、おじさんの方と比べるとあまりに弱々かったが一般人よりは、おそらく鍛えているだろう。

「すみませんね。お呼びたてしてしまって」

「いえ、大丈夫です。話ってなんですか？」

恐る恐る尋ねた。

「斎藤琢磨君が亡くなったことについて、ご存知ですよね？」

「はい、朝担任から聞きました。」

「昨日、琢磨君と何か揉め事があったそうですね。

何があったんですか？」

「私は、琢磨君がカツアゲをしているのを止めようとして琢磨君の能力を自分自身に向かうようにしむけました。」

おそらく、自分の能力のせいで死んでしまったのだろう。

「なるほど、ありがとうございます。もう、戻って良いですよ。」

「えっ？私の能力のせいで死んじゃったんじゃ…」

「斎藤君は、確実に誰かに殺害されました。が死体は、バラバラになっていました。

その時に所々焦げ跡があったんです、その事実確認の為に呼ばせていただきました。」

「嬢ちゃんは、気に病む必要は、ないぜあんたは、カツアゲされていた人を助けようとして能力を使った。ただそれだけだ」

それを聞いて心にあった重りが取れた。

そして、涙が溢れ出てきた。

教室に戻ると何事もなかったかのように

みんな優しく接してくれた。

学校が終わると父から電話がかかってきた。

「楓、お前には、会ってもらいたい人がいるから車で帰れ」

「やだ」

「今日ばかりは、お前のわがままも聞かんからな」

そう言うと電話が切れた。

楓は、とても憂鬱だった。

父が迎えを寄越すときはたいてい、黒服の護衛とベンツに乗せさせられるからだ。

車が来ると黒服が扉を開けてくれた。

「ありがと」　

そう言うとベンツに乗り込んだ。

中には、珍しく父も乗っていた。

父は全部の指に違う宝石をつけていて、成金かと間違えてしまいそうな格好をしていた。

「楓、今日はうちの若頭にあってもらう絶対に失礼が無いようにな父さんは、あのお方には勝てないからな。」

父は、ヤクザだ、しかも、極星会という全国をまた中でいるような組織の幹部らしい

幹部は、確かA級能力者で固められていると聞いていたのでおそらく若頭という人は、おそらくS級能力者だろう。

「わ、わかったわ」

数分もしないウチに屋敷に着いた。

その広さ、個人が所有するには、広過ぎ何かの運動施設かとも一瞬思ったが、周りには黒い服を着たヤクザが綺麗に整列して、警備をしていた。

ヤクザの一人が気づき、こちらに近づいてきた。

「おい、おいてめぇここは、家族連れで遊びに来るとかじゃねぇぞ！」

「誰に口聞いとる、お前最近入ったやつやろ」

父が怒鳴り散らして、指に付けていた宝石が光り出した。

「このヤロー！」

私にヤクザが叫びながら殴りかかって来た。

“‘ガチーン”

すごい音が聞こえた。

「い、、、、い、痛ーーーーたぁ」

男の拳からは、血と骨が飛び出ていた。

父の能力「霊宝」

宝石が持っている力を引き出す事ができる

値段が高くなるほど強力

身につけているだけでもステータスが上がる

「わしの、愛娘に何しようとしてくれたんねん」

父が激昂して、指パッチンをした途端人差し指についていた、真珠で作った指輪が輝いた。

その瞬間巨大な貝が出現してヤクザを飲み込んだ

そして、30秒ほどすると黒い真珠となって出で来た

おそらく、さっきまではあのヤクザだったのだろう。

その異様な光景を見て唾を飲んだ。

「どうしましたか？」

ヤクザが近づいて来た。

「下っ端のしつけ、しっかりせんかい」

「す、すみません。湊さん」

「いくぞ、楓」

そう言うと父は、黒い真珠を踏み潰して屋敷の中に進んで行った。

屋敷に入ると豪華な壺やらなんやらが一杯ある部屋にとうされ、その奥の扉を父がノックした。

「山隈（やまぐま）か、入れ」

どこかで聞いた声が聞こえた。

「失礼します」

父がそういうと一緒に中に入った

父は、若頭に山隈と呼ばれた。

おそらく、あだ名のようなものだろう。

「前に話した娘です。誠也さん」

聞き間違いだろうか誠也と聞こえた、しかし目の前にいるのは、紛れもなくさっきまで学校で会っていた誠也だった。

「あんた、なんでいるのよ」

奏がそう言った瞬間、気づけば頭に拳銃が添えられていた。

「いい、やめろ」

誠也の護衛だった。

速過ぎていつ動いたのかすらわからなかった。

「はっ失礼しました。」

そう言い誠也の後ろに戻った。

「奏！言葉に気を付けろ次やったらただじゃおかないからな！」

「いい、山隈」

「普通に話していいよ、学校みたい」

誠也は、優しい口調で言った

「お、お前まさか学校でもそんな口を...」

父が青ざめていた。

「誠也、ヤクザだったのね」

「まぁね」

「じゃあ、斎藤君を殺したのも...」

誠也は考えこむと近くのヤクザに樋口を呼ばせた。

しばらくすると、樋口がやってきた。

「チース、何スカ？」

あまりにもヤクザに見えないチャラい格好と格好だった、しかしとてつもなく嫌な気配がしていた。

「お前、斎藤殺した？」

「部下にやらせましたよ」

まぁ面倒だったから殺さなかっただけで殺しても良かったから別に誠也は、なんとも思わなかった。

「殺したって」

「あ、あんた...」

これ以上は、何も言ってはいけない気がした。

喉まででかかった言葉を飲み込んだ。

「もう行っていいです？」

樋口は、そういと出て行った。

「そうだ、ごめんね楓、警察に疑われちゃだったね」

「うん、別にいいよ...」

「じゃまた明日学校でね」

そう言われ楓は、半強制的に屋敷を追い出された。