第7話 いい妹さんですね
結局、先輩の家の方が近かったので、先に先輩を送ってから家に帰り着いた。
「たぁだいまぁ」
「おかえり、あぁ、カバンは持つから。疲れたよね、ゆっくりお風呂に入って疲れをとるんだよ、おにいちゃん」
なんだか真由の様子が変だ。
妙に労ってくる。
友達できた?って聞いてこないし。
多分昨日の友達が幽霊発言の後くらいから。
あぁ、変な気遣いをさせてしまったみたいだ。
ちゃんと安心させねば。
「真由」
「何?おにいちゃん」
「あのな。ちゃんと僕には友達ができたからな」
「……幽霊じゃない?」
「あぁ、幽霊じゃない」
「ロボットじゃない?」
「ロボットじゃない。ちゃんと聞いた」
「家に連れてこれる?」
「多分大丈夫だ」
「何人?」
「……1人」
「ひとり……」
「い、今の所だ!それに千堂さんも、今日休みだったけど、また今度会いに行って確認してくるからな」
「千堂さん?」
「あ、あぁ、そうだ。昨日手紙をくれて、校舎裏で友達になろうって言ってくれたんだ」(一部事実と異なる場合があります)
「手紙……校舎裏……」
「な。だから多分2人だ」
「2人……ねぇ、おにいちゃん」
「ん?どうした」
「その千堂さんって女の人?」
「あぁ、そうだよ」
「もう1人の友達っていうのは?」
「神谷先輩だ」
「ヒロC?」
「那月」
「……それって女?」
「あ、あぁ、そうだよ」
「へぇ〜、それじゃあ、ぜひ今度家に遊びに来てもらわなくちゃねぇ」
「そ、そうだな」
なんだろう?真由から謎の圧を感じる。
僕の妹がこんなに怖いはずが……いや?割とあったような。
でもそうか…家に遊びにかぁ。なんか友達っぽいな!
他に友達って何をするんだろう?
色々調べておかないと。
そう思いながら部屋へと向かう。
風呂はもう少ししてからでいいかな?
「……ん〜?友達?友達、ねぇ〜」
妹の呟きは聞こえなかった。
結局風呂に入るのはしばらくしてからになった。
この前の占いの館に行ったからだ。
そこでのやりとりを一部抜粋して紹介。
「友達ができましたよ!」
「そう、それは良かったですね」
「しかもなんと2人も!」
「……2人?」
「はい!2人です!」
「1人じゃなくて?」
「2人です!」
「気は確かですか?」
「まさか占い師にまで正気を疑われるとは思いませんでした」
「他にも誰かに?」
「妹に」
「いい妹さんですね」
「どういう意味ですか⁉︎」
「というか友達ってゲ◯ガーとかじゃないんですか?」
「なんでポケットのモンスターが出てくるんですか⁉︎それをいうならドッペルゲンガーでしょう。いやドッペルゲンガーでもないですよ!」
「面白い冗談ですね」
「何がですか⁉︎ドッペルゲンガーがですか⁉︎それとも僕に友達が2人もできたことですか⁉︎」
「僕と友達になれるのは僕だけだってことですね」
「後者ってか!そんなキセキの青いバスケ選手チックに言わないでください」
「だってあなたのオーラはぼっちオーラなんですよ?」
「というかぼっちオーラってなんですか!」
「友達ができないオーラじゃちょっと長いでしょう?だからぼっちオーラ。そのぼっちオーラがあるから2人も友達はできないはずなんですけどねぇ」
「だからどんだけなんですか僕のオーラ」
「あの高校にいたら弦ちゃんが無言でドライバーを取り出すレベルですね」
「リミットがブレイクされる⁉︎あの弦ちゃんが友達になるのを諦めるレベル⁉︎」
ええ。大体こんな感じでしたよ。はい。
なんだか疲れたのでもう寝ます。
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