高男子力男子のすゝめ

宇部 松清

【初級編】高男子力男子、オフィスにて

第1話 高男子力男子とミジンコ

 僕の勤める会社には、もうとにかく男子力がアホみてぇに高い男性社員がいる。


 彼の名は、細川ささめかわ君。


 こんなに名は体を表さない名字もそうそうないだろう。彼の身体に『細』の要素はただのひとつもない。何の準備もせずにボディービルの大会にエントリーしても、まぁまぁ良い線までいっちゃうんじゃないだろうかとこちらがハラハラするほどのマッチョマンだ。身体の厚みがエグい。


 もしかしたらさすがの彼でも毛細血管くらいは細いかもしれないが、それにしたって常人の三倍はあるんじゃないかなと僕は勝手に思っている。


 これは、僕の、このミジンコレベルの男子力を、どうにか肉眼で見える程度にアップさせるために彼を観察した記録のようなものである。


 男子力を高めたいと思っている男子諸君、細川君から『男子力』とは何たるかを学び、共にレベルアップしていこうではないか。


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