桜の記憶
立ち上がる暇もないと判断を下し、真横へ回転。
いつ飛び出してくるかわからないモンスターの攻撃。
「くそっ……!」
端からみれば地味な攻撃だろうが、それをどうにかできない自分に腹が立つ。
転がったばかりの地面からまたサンドワームが出てきたのを確かめて、空中にいる隙に立ち上がる。
(叩き落とせないか――?)
急いで足元を探り武器になりそうな物を物色するが、使えそうな物は何もない。
「――!?」
しかし、それとは別に気づいたことがあった。
時間にすれば、ほんの数秒しか経過していないはずだ。
いつの間にか、片桐の側にいたサンドワームが消えていた。
その意味を理解し、表情が強張る。
反射的に下を向き、ほとんど本能だけで上半身をのけ反らせた。
薄暗い闇の中、顎を掠めてサンドワームが飛び上がる。
(やっぱりか――っ!)
二体目に気を取られた隙に、最初の一体を仕掛けてきていた。
二体まとめての相手はさすがに余裕を持てる自信はない。
このままでは、確実にじり貧だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます