第11話  エルフクイーン

単刀直入に聞きます。貴方達は何か大きなことをしようとして居ますね?」

「!?…えぇ、私たちは間違ったことを正す為に、人間の世界からきました。」

「どうぞこちらへ。」



[エルフクイーン宅]



「そういえば名前を言って居ませんでしたね。私はフローラ・ヘルクヴィストです。」

「リズ・アルフォードです。」

「チェストミール・レーガー。」

「オスマン・ユースティフィアと申します。」

「ソレイユ・クロスフォードと言います。」



「レオ・グラーニンと言う。せっかく招いてもらったところ申し上げないが、小生達は急いでいるのです。小生達は人間とそのほかの種族の共存を望んでいます。もちろん、対等な立場での共存です。」



「そうですか。」

「エルフ達は中立の立場と聞きました。どうか小生達に協力していただけないだろうか?」

「協力することはできません。」



「でも!」

「協力することは出来ませんが…、ここから少し離れたところにあるオルムの長に協力するように頼むことなら出来ます。」

「わかりました…。」



「本当は協力したいのだけど…中立の立場からは何も言えなくてね。あなた達の計画がうまくいくことを願います。」

「!、ありがとうございます!」



「ふふ、今日はもう遅いから泊まっていきなさい。夜にはシャールク(魔物)が出るからね。

最近は人間もシャールクも種族を問わず攻撃してくるようになったから、夜に行動するのは危険なの。」



「今の人間はエルフ達のような中立の種族達にまで攻撃しているんですか?」

「……えぇ、協力する立場にあったもの達にすら、攻撃しています。」



[案内された寝室]



「そろそろ開戦が近ずいてきたか…。」

「今後のためにも色々と考えないとですね。」

「そもそも開戦までに私たちの準備が整うかも分からないからね。」



「根本的な問題として、オルムが小生達の味方になってくれるかも分からないし、仲間になってくれたとしても戦力的な問題があるんだぞ?」



「戦力的な問題?」

「おいリズ…まさか対話で解決できるとか考えてないよな?」



「どんな人にだって知恵があるんだから!話せばきっとわかってくれるはずだよ!」

「それは無理だと思います。」

「なんで?」



「考えてみてくださいよ。そもそも対話でこの問題が解決できることなんだったら争いなんて起こるはずないんですよ。」



「そんなことないよ!きっとみんな道を誤っただけだよ!」



オスマンはリズの言葉に我慢ならず…



「っ、いつまで夢を見ているんですか!あなたが思っているほど話が通じるほどの頭を持っているわけではないんです!人にはそれぞれの価値観や正義の定義があるんです。全人類がリズさんのような綺麗な心を持っているわけではありません。」



ハッとしたオスマンは、自分がただリズに八つ当たりしてしまったことが許せず、その場から走り去って行ってしまった。


「あっ、オスマン!ごめんなさいね、オスマンは昔ちょっとあってね…私追いかけてくる!」

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