第80話 閑話その⑥最高?の姉妹その1

今日の王妃様から言われたフューチャーシップに乗りたいは本当にビックリした。馬が好きで競馬をこよなく愛する王妃様だからこそなんだろうだけど



このキングダム王国ではダイアナ王妃とミカエル公爵夫人は絶大な人気と認知度を持っており二人が結婚する前は美しい薔薇には棘があるの代名詞とまで言われており二人がどれだけ美しくそしてお転婆だったのかが分かる言葉である



まずは姉のミカエルから。ミカエル・キングダム王女殿下は王立学園時代から騎士としての才能と領地経営に優れた知識を持った少女で先代の陛下から「何故に男に生まれてこなかったのか!成人したら直ぐに王位を譲れるのに・・・・・」と同じく先代のバルト宰相に愚痴を零していたらしい。とても女性と思えない行動力と絵も言えない美しさがあって誠の高値の華であり地位に差があっても学園の男子生徒の殆どが一度は交際を申し込んだのは学園の末代まで残る噂話だ。そんなミカエルでも乙女であり恋もしていた。それが旦那様であるルイス・ルクレールである。学園では一学年上のルイスであったがミカエルの才能と何所でも現れる行動力には一目置いており妹のように時には心強い後輩として秘めた心には恋心があったがお互いに心の奥底に封印していた。



ルイスは卒業後、王国の騎士としてモンサン帝国との戦争最前線で同級生で親友のフリート・ハイクレア達と国と民を守る戦いを行っていた。公爵家次期当主であったルイスだが自ら最前線で戦い頭角を現していた。其の傍には常にフリートがおりルイス率いる第三近衛騎士団は帝国との戦いに多大な戦果を上げ第三騎士団に所属していた者達は出世を果たしその中でもフリートは副官と戦況を変えた功績者として男爵に叙爵される。二年間続いたモンサン帝国との戦争を勝利で終えたキングダム王国は戦争復興の為に貴族達は領地の経営に勤しんでいた。若きルイスもルクレール家当主に決定して領地経営のノウハウを学び覚えることが沢山ある時期であった



戦争が終わった王国は第一王女のミカエルをモンサン帝国の王子と政略結婚を進め婚約者としてミカエルを帝国に嫁がせて内から帝国を掌握する算段であったがミカエルは断固拒否をして暴れた為、反省させ落ち着かせる目的で王家の保養地に送られた。当時、ミカエルの侍女の一人だったビアンカを連れて・・・・・


ミカエルは保養地に行く事が決まってから直ぐにビアンカと脱走計画を立てており護衛の騎士が少なくなる着換えの時間に侍女全員でサポートして手配した馬に乗りルクレール領に向かった。


「保養地からルイスの所が近くて良かったわ」


王家所有の保養地からルクレール領まで馬の脚なら一日で辿り着く事も考えており

護衛の騎士たちが気付いても追いつけない距離になって初めて馬を休ませて日が沈む頃にはルクレール家の屋敷の前に辿り着いていた


「さてどうやってルイスを呼び出そうかしら」と屋敷の側で馬に乗ったまま考えていると「ミカエル様?」と声を掛けて来たのはこれまた馬に乗ったルイスだった


「ルイス!貴方が戦争に行ってから気が休まる事は無かったわ。慰問を名目にして戦地に行こうとしたけど反対され王国の勝利で戦争が終わったら帝国の婚約者と結婚しろと言われて今日、遂に逃げて来たわ。ルイス、貴方の元に」


その言葉にルイスも意を決して伝える「ミカエル様、いやミカエル、私は貴女の事が好きだ!心の奥底に閉じ込めていたが女性の君に言われては一人の男としてハッキリと伝えたい私と結婚して下さい」


「はいルイス様・・・・・」


ミカエルの瞳からは大粒の涙が零れていたが直ぐに止まるとルイスは領地にある最高級の宿屋をミカエルの安全の為にワンフロア貸し切り屋敷からモトコと使用人二名を連れて宿屋に戻り一晩過ごした。


翌日の昼過ぎ、領地の境まで迎えに来ていたビアンカに連れられてミカエルは保養地に戻っていった


一つの命を宿して・・・・・



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