第71話 フューチャーシップ
王妃様が一緒に来ると言う困った展開になるが仕方なくイルメス馬具商会に向かう
馬車一台とセバスチャンの乗馬の予定が王妃様の馬車に護衛の騎士達の騎馬が四頭
になり街の中に入ると重々しい雰囲気になり馬車に王家の紋章が描かれているので
街の者達が王妃様を一目見ようと馬車の周りが人だかりになり進むのが困難になって来た。王妃様の人気は昔から凄く国民に愛されており色々なエピソードがあるが別の機会に話します
何とかイルメス馬具商会前に到着するとエイダン商会長が自ら出迎えの為立っており
「皆さん馬車ごとこちらにお入りください」と厩舎の入口に案内されそれに従い進むと門は閉じられるが暫くすると護衛の騎士二名が門の前に立ち警護にあたる
厩舎内では停留場に馬車を止め屋外に大きな椅子を準備されていたが王妃様が一言
「要らぬ!」と言われ片付けられる。そして王妃様を中心に両サイドにバルト宰相とルクレール公爵夫妻、その両隣にアーサー近衛騎士団長とセバスチャンが並ぶと
王妃様から「エイダンよ今日は急で済まぬな。では馬のお披露目を頼むぞ」
「ではこれより競走馬用の馬のお披露目会を行います。キングダムの馬との違いをとくとご覧あれ」
エイダンの宣誓で始まったお披露目は昨日、セバスチャン達が見た時と同じで厩舎から一頭ずつ出してまずは歩かせて見てもらいその後、立ち姿を見てもらうを行う
。セバスチャン、ルクレール夫妻は昨日も見たので再度確認の意味を含めて見ているが王妃様、バルト宰相、アーサー近衛騎士団長は驚きを隠せない様子で一頭ずつ見ている。王妃様は何頭か気になる馬が居た様で馬を引く係に向きを変えさせたりして目を凝らして確認を行う。そして最後の一頭芦毛の馬が登場すると王妃様達が一斉に溜息を付く
「これ程の馬が居るとは・・・・・」王妃様は言葉を洩らしながら馬を凝視する。
バルト宰相、アーサー近衛騎士団長も同様で「こんな馬は見た事ない」「まさに王者の風格を漂わせている」と素直に気持ちを話している
全十頭のお披露目が終わり場所を商会の応接室に移し商談に入る
「今回はセバスチャン様からのオーダーで今、ご覧頂いた馬達を購入してきました。
しかし他の馬は兎も角あの芦毛の馬は交渉しても中々折り合わなかったのですが何とかお互いに妥協出来て金貨十万枚で購入しました。他の馬を併せると金貨十八万枚になります。それに経費として金貨二万枚で合計金貨二十万枚でございます。その内十万枚をセバスチャン様から内金として支払われています」ここまでエイダンが馬の金額の説明を行い交替でセバスチャンが提案を含めた話しを行う
「皆様、エイダン殿が集めて来た馬をご覧になって如何でしょうか。あの馬達は必ずこれからのキングダムの競馬の発展を導く一石になります。特にあの芦毛の馬は特別ですので手持ちのお金を手付金として支払いました。あの芦毛の馬は是非、王家に購入して頂きたいと思いこの場を準備しました。陛下も居ませんので勝手出来ないと思われますので後日、改めて伺いたいと思います」
「セバスチャンよもしあの芦毛の馬を王家で購入しないとなったらどうするのかな?」
「はい、ルクレール公爵夫妻と私の三名で共同所有と言う形で購入します。これが他の馬にも当てはまるのですが他の貴族にも参加をして欲しい事は前回の競馬開催の時に話していますのでご存じかと思われますが一人で所有が難しいのなら複数の貴族で所有する枠組みを作ります。素案は出来ていますので明日にで提出出来ます」
セバスチャンが話し終えると王妃様が「バルトよ、私は今年の個人費用全てを放棄してもあの芦毛の馬を購入します。陛下にもその旨を伝えますので今ここで契約をします。エイダンよ購入契約書を用意して。それとあの馬の名前はなんと言うの?」
「はい王妃様、グレイゴーストと呼ばれていました。陰から現れ瞬く間に抜き去るとの事でその名前が付いたそうです」
「暗い名前ですね。私が持ち主になりましたので新しい名前を付けます。そうね未来への船と言う事でフューチャーシップとでも名付けましょう」
ここにキングダム競馬発展の基礎とまで呼ばれるフューチャーシップの誕生となった
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