第55話 新しい馬を集める話し
セバスチャンは第三厩舎を出た後、イルメス馬具商会に到着する。商店の周りは相変わらず賑やかで繁盛しているようである
「こんにちは。王宮統括厩舎長のセバスチャンだがエイダン商会長はいらっしゃるかな?」
「これはセバスチャン様!失礼しました。会長はいますので直ぐにご案内致します」
会計の女性が慌ててセバスチャンを商会長室に案内する。女性がドアをノックして「旦那様、セバスチャン男爵様がお見えです」と伝えるとドアの奥から声が聞こえて来て「どうぞお入りください」とエイダン殿の低い声が聞こえて来て入室する
「ご無沙汰ですエイダン殿。競馬以来ですね」
「セバスチャン様、改めて男爵への昇格おめでとうございます」
「いやいや皆の協力があっての叙爵だから自分一人でどうこう出来る事はないから」
「それがセバスチャン様を皆が慕う訳ですよ。今後もよろしくお願いします」
お互いの挨拶が終わり早速、セバスチャンは今日来た理由を話していく
「今日はまず、王妃様用に木馬の納品をお願いで鞍はうちのミシェル用作成した物を納品して後は本人の好みに合わせて欲しい。鐙は王妃様の身体に合わせて長さを調整して欲しいので木馬の納品と合わせて採寸を頼みます」
「王妃様があの乗り方をされるのですか?興味のある貴族等が真似をしていますが上手く乗れていない様子です。セバスチャン様も屋敷に木馬を持ち込み相当に練習
され身体つきが以前と違います。王妃様に指導されると思いますが大丈夫ですか?」
「ええ、王妃様もうちの母上と同じで活発な方ですからコツを掴めは大丈夫でしょう。」(王妃様とのやり取りは話せないですが・・・・・)
セバスチャンは王妃様の分の木馬一式の注文を行い終わると話しを改める。
「エイダン殿、実は馬の生産、品種改良を行う牧場を建設する計画を立てていて
そこで馬で商売をされているエイダン殿に馬集めと情報収集をお願いしたいと思いまして。現在の馬は競馬用の馬ではなくて軍馬を基本にしており後は狩猟の時に森に入る等、力強く病気になりにくい品種です。今回の競馬で通常と異なる方法で鍛えて競馬に使いましたが鍛えても限界があるので軍馬とは違う速さを求めて違う品種の馬
との交配を行い競馬に向く馬を作りたいと思っています。その為に他の国とも商売での繋がりがあるエイダン殿にお願いしたいのだがどうでしょう?」
「そのような大役をこの私に任せてもらえるのですか?」
「ええ、私はエイダン殿を買っていますので。貴方の知識、コネクションを是非、国の為に生かして欲しい。そうすれば必然的に商売もより上向くと思われます。ただ、イルメス馬具商会だけが強くなりすぎる事にはならないように他の馬具商会にも一定期間が経てば同じように情報を開示してより強い馬を作る為に切磋琢磨してもらいます」
「分かりましたセバスチャン様。セバスチャン様の意志を汲み取り国の為になる様に頑張らさせて頂きます」
セバスチャンとエイダンは話し合い国内、国外の情報を収集して特に隣接するモンサン帝国とエール王国は共に競馬を開催しているのでどんな馬なのか見て手に入れられるのなら手に入れ品種改良を進めて行くで一致する。
「エイダン殿の協力が得られましたので明日、王妃様にお願いに参ります」
「セバスチャン様、因みに牧場はどちらに作られるのですか?」
「ああ、牧場は今回拝領した領地の平野部分に建設予定だが馬は王都を中心に集まっているので王城の近くの森を伐採して平地にする案も考えているがそれだと費用と
時間が膨大に掛かるのでその辺りも相談しだいですね」
話しをしている中でエイダンが一週間後からモンサン帝国に商談に行くと伺い間のよい事に感心しながら話しを続けた
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