第32話 貴族同士の争い

ミカエルはセバスチャンの軽率な行動の理由を聞いた



「母上、実は母上達が賊に襲われていた時に人馬神様より神託がありターシャ達では間に合わない事と正確な場所を教えられ駆けつけました。私の考えですがもし母上達が無事なら人馬神様も神託を告げなかったと思います」



ミカエルは少し考え答える「確かにな。其方の言う通りだと思うよ和雄殿」


「後、エイダン殿からコレーロス侯爵がルクレール家に妨害工作を働いていると

報告を受けました。商会内に内通者がいてその者に指示を与えていたようです。私と

ルクレール家が目障りのようで先ずは信用を貶める所から始めて此処二~三日位

から目線を感じていました」



「貴方もそうだったのね。私やビアンカも斥候が付いていたわ。特に影響が無いと思っていたからそのままにしていたけど少し相手も焦れているようね」


ミカエルとセバスチャンは情報を共有してミカエルには常に護衛を付けてセバスチャンは人通りが多く明るい道で帰る事、王妃様にこの事を伝え街を巡回する兵士を増やすお願いをする。


「後はルイスに手紙を書いて身の回りを気を付ける様にと帰りは周りを固めて帰る様に伝えないとね。他は何かあったかしら?」


「母上、兄様達にも外出の際は十分に気を付ける様に話さないと同じように狙われる可能性があります。それに皆、幼子を抱えていますので誘拐も考慮しないといけないと思います。それと家人達にも明日の朝、ターシャに説明させて外出は急用で無い限り落ち着くまで控える様に伝えさせます」


自分の心配だけで無く家族の身の安全を考えも考慮しながら二人は話し合いを行い

王宮への報告はセバスチャンが家族へはミカエルが行いコレーロス侯爵への対策は

ミカエルが行うと自ら話したのでお願いする



「厩舎の皆にも声を掛けて対策を練らないと命あっての物種だから、そうだ新しい

スタッフの入職を少し伸ばそう。お金が要るだろうからエイダン殿にこちらも要

相談だな。明日の午前中に商会に行くか」


ミカエルとの話し合いも終わり鈴を鳴らすとリズが入室してきたのでレイナに軽い食事とワインを部屋に準備するように伝える。伝えた後、湯屋に行き汚れていた服を脱ぎ湯で身体を拭き部屋に戻る


部屋の前にアンナがワゴンを押しながら来ており「セバスチャン様ちょうど良かったです。温かい具たくさんのスープとパンとワインをお持ちしました」


食事をテーブルにセッティングさせて退室させようとするがアンナが心配そうな顔をして話しかけてきた「申し訳ございませんセバスチャン様。話されないので心配

無いと思いますがターシャ様はご無事ですよね。心配で心配でお仕事が手に着かないです」


ミカエル達が帰るまで屋敷内が物々しい雰囲気でメイド達も緊張した表情で作業を

行っていたので家令であるターシャが戻らないのが彼女にとって一番の心配事だと

察する。

「アンナ、ターシャは母上の命令を行っている。襲われたりとかは心配ないと思うが

ターシャは私等より遥かに強いぞ。ルクレール家の家令を務める者が主人の危険な時に護衛出来ないなんて無いからな。もしアンナが家令になる事があれば護身術、護衛術をみっちり仕込まれるぞ。父上の覚えも良いからターシャが結婚や昇格等で

常に屋敷を離れる様な事にでもなれば有り得ない話ではないな」



アンナの顔に落ち着きが戻ると同時に揶揄われている事に気付き頬を膨らませ「セバスチャン様意地悪です!」と言ってきたので「ほら元気が出て来た良かった」


「せっかくの温かいスープだから早めに頂こうかな」

「失礼しました」


大丈夫だからと伝えてアンナは下がる。セバスチャンも席に着きスープを食べながら

人馬神様に今日の神託は本当に助かった事を教会に行きお供えをしないといけないだろうからイルメス商会に行く時に一緒に行く事を決めて食後に厩舎スタッフの

安全を考え二人一組で動くように仕事の分担、振り分けを決めて就寝する



夢の中で神託があり麦と人参をお供えして欲しいと品物を指定したリクエストがあったのは笑い話だ




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