第12話 嫌味を言う奴はどの世界にもいるよね

騎士団長との面会、嘆願が終了して厩舎に戻っていると会いたくない人物に

顔を合わせてしまい少し気分がトーンダウンしてしまう



『ようセバスチャン、今度の競馬に勝てないから領地に帰ったと聞いたけど

まだ王都に未練があるのかい?多分お前の事だから女と別れたくないからだろ」



言いたい放題で話してくる人物は第二厩舎長のションで私よりも二歳年下だが

同じ騎士伯の位を持っている。実家の格ならうちの方が上だけど前回の競馬で

管理している馬がレースに優勝したので私を下に見てくるようになった




「ション殿おはようございます。痛い所を付かれますな~。確かに前回は全く

手が出ない有り様でしたが今回は全く手が出ない事が無いように悪足掻きを

させて頂きます。厩務員に任せたままなので私は失礼します」




セバスチャンは早くこの場を去りたかったのだがある人物の突然の出現でこの場

雰囲気が一層殺伐したものになる




「ションよお主は何時までも前回の勝利で自分が常に優位な立場にあると思うな

スーパァはより一層研鑽して今回の勝利を目指しているし、そこのセバスチャンも

勝つために行動を起こし今、騎士団長の所に相談に行っていたのだが貴様は今回の

競馬に対して何か策や研鑽を行っているのかな?前回優勝者だから気を抜いては

行けないのではと思うがよもや無策では無かろうの」




口を挟ませないリン様の言葉にションはタジタジになり「失礼します」と一言だけ

挨拶をして自分の厩舎に戻っていった




「リン王女殿下ありがとうございます。助かりました」




『セバスチャン!王女殿下は付けるなと何百回言わせるのだ!!父上、母上以外にはセバスチャン、お主以外は誰にも認めていないのだから胸を張って

言えば良かろう」




リン様の傍に近づき「リン王女殿下ここは王宮です。皆様の目が所々有りますので

公女殿下を付けずお声掛けしたら不敬罪にも取られます。私の立場はいいのですが

リン公女殿下の立場を悪くしますのでお部屋で二人きりの時には【リン】と呼び

ますので今回はお許し下さい」




「私は気にしないのだがセバスチャンは周りの者の事まで考えておるのだな。分かった確かに言質取ったからな今度二人きりの時にそう呼ばなかったら不敬罪で処刑

するからな」




怖いセリフだが機嫌を直してくれてよかった。次回合う時には少し覚悟して行かないとおかしな話になりそうで背筋が寒くなってしまう



「さて今日はハイクレア男爵に面会して調教設備への投資協力をお願いを行い少し

でも多くのパトロンを集めないと計画が成功するかどうかの鍵を握っているからな」




昼食を皆で済ませた後、昨日と同じライアン、ミシェルと私の三人で馬乗りを行うが

今日からは競馬の為に選別を行う事になる事を二人に伝え全馬に乗っていく。一日で全てを決めず三日間で決めるので乗った後に必ずメモ取る様に伝える



三人の意見で実は一頭決まっており、リン様のお気に入りの青鹿毛の牡馬でこの馬は必ず走るので残りは後に二頭だが選ぶのがとても苦労しそうだ。まさに団栗の背比べ位のレベルなのでいい所を見つけて行かなといけない




「では馬乗りを行うかな」

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