第11話 厩舎周りを散策する(場所探し)

今朝も早く起床し準備して食堂に向かう。今朝はアンナが出迎えてくれ声を

掛ける




「アンナおはよう。ターシャを呼んでくれるかな」




セバスチャンから指示を受けてアンナはターシャ呼びに行き一緒に食堂に

戻って来る



「セバスチャン様おはようございます。御用とは如何しましたか?」




「領地の父上に手紙を届けて欲しい。早く届けて欲しいので早馬を使ってくれ」




「畏まりました。珍しいですねルイス様にお手紙とは」




「急用でね。私の力だけでは解決出来そうに無いから父上にお願いしようと思ってね。無論、家の為にもなるとこだからね。後、当面は夕食の用意はいいよ遅くなる事が多くなるから」




手紙のやり取り後、朝食を手短に食べて急いで出かける




厩舎に到着後、早番組は放牧作業と放牧地の水場に水を溜める作業を行い、馬房内

の清掃が終了した所で遅番二名が出てきたのでミーティングを行う




「みんな揃ったな。今日から午前中は今まで通りの作業を行い午後からは競馬に

備えて出走馬の選定、訓練場所の整備を加えていくので皆に負担が掛かるが全員

で頑張っていこう。後、厩舎作業員を少し増やすのと馬の訓練場所の整備の為に

土木作業士を臨時で雇入れするので詳しく決まったら報告するので。今日の作業

担当は黒板に記入しているので各自確認を行ってください。解散!」




ミーティング終了後、セバスチャンは自身の馬で放牧地周辺を走り馬の調教出来る

場所を探しながら3~4か所の坂路コースを作れそうな地形を見つけ簡単な地図と

場所を記入して厩舎に戻る



「アイゼン、私は今から騎士団長の所に行くので作業の方は任せたよ」




「畏まりましたセバスチャン様」




王城内にある近衛騎士団エリア、ここでは近衛宮廷騎士が中心になり訓練を行って

おり普段の私には関係のない場所である。訓練場を抜けて一際大きな扉があるここが近衛騎士団長の執務室で王宮会議等が無ければ基本、執務室で業務をされている



扉をノックして「アーサー様第三厩舎長のセバスチャンです。面会の希望ですが

お時間はよろしいでしょうか?」



「入れ」


低い声で一言のみ返事がありセバスチャンは挨拶を行い入室する



アーサー近衛騎士団長は年齢は30代前半で190㎝近くある高身長だが横には出ておらず現代的に言うと細マッチョが似合う方だが寡黙で必要がない時には全く話さず

非団長派からは鉄仮面と影口を叩く者もいるくらい表情が崩れない方である




「失礼します。アーサー様今日はお願いがあり参上しました」




「話せ」




「今度、王妃様主催の競馬がありますがその為に馬の訓練施設を第三厩舎裏の山を

伐採、整地を行い建設したいのでご許可を頂きたく参上しました」




「それは一昨日から作業内容を見直し効率化している件につながるのか?」




さすがアーサー様だ二日前からの事を当然のように知られているとは・・・・・




「はい、今までの私のままでは厩舎は取り潰し、私は家から追放になる事が目に

見えていますので自分の為だけで無く厩舎のスタッフの生活を守るために行動を

興しました」




「私の一存で決められない案件だな。宰相殿に話をして国王様から許可を頂かないといけないから3~4日待つとよい」




「ありがとうございます。もう一点宜しいでしょうか?」




「まとめて話さんか!」




「すみません。もう一点はスタッフの雇入れをお願い致します。後、三名雇入れ

出来ればかなり効率化できます」




「分った。その件はセバスチャン、そなたが進めて決まったら書面で報告せよ」




「畏まりました」





「一点聞きたいのだが国王様より許可が出たら工事費用はどうするのか?国庫を

あてにしているのか?」




「いえ、その事に関しては妙案がありますが失敗した時には自己資産で行いたい

と考えております」




「それだけの思いがあれば多少の困難も乗り越えられるであろう。やはりそれは

心境の変化かな?私が見ても落ち着きが出て今までのお前とは別人だからな」



そうなんです中身は五十手前の中年ですなんて言えないし・・・・・




「私も考える所があります。父上、母上にも迷惑を掛けておりますので成人した

一騎士として国の為、家の為に頑張って行く所存です」




「分った。引き続き業務を行うように、結果は追って知らせるので暫し待て」




「畏まりました。失礼しました」




アーサー近衛騎士団長との面会を終え一つ進んだ確信があった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る