079, 0-47 幕間・謀略女王の改革

・ルクレーシャ=クロトーの改革


前回のあらすじ

 クビですよクビ、解雇です



東の公爵の『人を増やすのがどれだけ大変だと思っている!』っていう言葉が気になってちょっと調べてみた。


国が出来た経緯はダンジョン管理のため。

ダンジョンの近くには拠点の街を作る。

街を作るにもモンスターを間引くには人手が必要。

だから人を増やす政策が重要。



・・・まさかの落とし穴。

人たくさん殺しちゃったね!

なんか普人だけ損した気分。

だから他の国の人に死んでもらおう。

そう思って獣人の国とエルフの国に噂を流す。

ドワーフは魔法具作ってくれるし、エルフはイケメン種族だし、獣人に死んでもらおう。

私、ケモミミ男子に興味ないし。


獣人の国には『獣風情が街を作るとは生意気な!集落で争ってろ!!』ってエルフ達が言ってましたよ、と噂を流す。

エルフの国には『街を作ってわかった。街作り大変だ。エルフ共、街をよこせ!お前ら森に住めば十分だろ!!』って獣人達が言ってましたよ、と噂を流す。


これが上手くいって戦争が起きた。

「きっと獣人がたくさん死んでくれる」って思ったのに、意外な事にエルフが負けちゃった。

「イケメンが死んじゃった!」って後悔してたら死人はゼロ。

この世界の戦争はルール決めてその範囲内で戦うんだった。

お互い100人出して、殺さないようにしましょう、ってルールで戦争したみたい。

ん~~~残念。



殺すのは無理だと諦め普人を増やすことにした。

獣人の国の王様は農業王とか呼ばれている。

食料改革をして人口が増えたとか。

これをパクる。

前世でも狩猟から農耕になって人口が増えたとか聞いたことがある。

貴族たちに「開拓村を作って食糧生産しなさい。後で報告書を提出するように」って業務命令を出す。

獣人の国と普人の国じゃ土地が違うから同じやり方をそっくり真似ても上手くいくとは思えないし。

貴族たちに工夫してもらって、いいやり方があったら国全体に広めよう。

村を全滅させるような馬鹿がいたら解雇しよう。



ムチばかりじゃ駄目だからアメもあげる。

前回頑張っていたライナスさんに将軍職をあげることにした。

そのために軍隊を作る。

「平民500人ぐらい雇って訓練するように」って業務命令を出す。

軍の維持にはお金がかかるって聞くし、最初は小規模にね。

とりあえず、行進したり、隊列を組んだり、って簡単な所から始めてもらって、後は自分たちで考えて訓練するように丸投げする。

報告書も定期的に提出するように言っておく。

新しい仕事がもらえて嬉しかったのか労働意欲溢れるライナスさんは「はっ!必ずご期待に沿えます!!必ずや~~~~~~~!!!」って意気込んでいた。

う~ん、最初に会ったときとは大違い。人って変わるもんだね。



西の公爵には東の公爵領をあげることにした。

なんか元気なかったし、領地が増えるよやったねって励ましておく。

東の公爵領では人がたくさん死んじゃったから、ダンジョン管理をブラック体制で頑張ってるとか。

西の公爵の手腕をぜひ発揮してほしい。


そして前回の戦争、『公爵令嬢奪還戦争』って名前をつけたのに、平民は『串刺し戦争』って呼んでる。

反逆者を見事に処刑したのは私の手柄なんだけど、西の公爵が東の公爵領で上手くやっていけるように噂を流しておいた。

全部西の公爵の手柄ですよ、って。

実際、内戦では東と西の公爵が戦ってたし、平民はそれを信じて西の公爵を『串刺し公』って呼ぶようになった。

これには西の公爵も涙を流して喜んでいた。



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