015, 0-05 幕間・生意気男子の安心

・デュークの安心


前回のあらすじ

 イケメン種族もいるのよ



次の日、村に馬車がやってきた。みんなで馬車に乗ると変な人も乗ってきた。

「みんな残るみたいだよ。間違えてるよ」

ジョニーがそう言うと変な人は不機嫌そうに言い返した。

「街まで一緒に行って孤児院に届けるまでが騎士の仕事だ」

ジョニーは変な人に興味をなくしたようでエルフの人と話し始めた。

「村に残るの?」

「ああ、元々そのつもりで来た。魔力汚染の原因となったモンスターの死体に、浄化の魔法をかけてやらないと汚染が広がってしまう。放って置けばいづれ、汚染が街の近くまで広がるかもしれない。そうならないためにも急ぐ必要がある。それに・・・村人の墓も作る必要があるしな」

最初のほうはよくわからなかったけど、お墓を作ってくれるともう一度言ってくれた。

そんなエルフの人にみんなでお別れをする。

「ありがとう」

「りっぱなお墓作ってください」

「パパとママをお願いします」

「エルフとけっこん。どうすればできるの?」

アデラが最後に変なことを言うとエルフの人は困っていた。



そして馬車が動き出した。

馬車は最初ガタゴトと揺れていたけど少しすると平らな道に出て揺れなくなった。



俺はジョニーにはジョニーなりの考えがあって父さんと母さんを燃やしたことにもなにか意味があったんじゃないかと思い始めていた。

(ただ俺たちがバカで理解できなかっただけなんじゃないかな。それならジョニーは悪魔じゃなくて。俺も悪魔じゃなくて・・・)



そんな考えが間違っているとわかったのはすぐだった。

「結局、死体を燃やした意味なかったな」

変な人が言った。


それを聞いて俺たちはジョニーを睨んだ。

(やっぱりジョニーは悪魔だったんだ!でもそうなると俺も悪魔なのかな・・・)

俺はジョニーが悪魔なのか悪魔じゃないのかを考えていると段々と眠くなって来て気づいたら眠っていた。



目を覚ますともう街の中に入っていた。

そこには信じられないような光景があった。

ジョニーが女の人に抱きついて甘えていたのだ。

「よっぽど辛いことがあったのね。もう大丈夫よ」

女の人がジョニーを抱きしめながら頭をなでているとジョニーは安心した顔を浮かべて女の人を見ていた。


その光景を見て俺も安心した。

(ジョニーはやっぱり悪魔なんかじゃなくて普通の子供だったんだ!本当はジョニーもずっと辛かったんだ!)

だから俺も悪魔じゃないんだと心の底から安心できた。



安心したらまた眠くなってきた。

隣りで寝ているアデラを見る。

母さんが言っていた。男なら大事な人を守りなさいって。

俺の大事な父さんと母さんは死んでしまった。

だからこれからはアデラを守っていこう。

そう思いながら俺は眠りについた。

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