スカート番長の憂鬱
西川笑里
第1話 男子とスカートの関係に想いを……
もしこれまでの常識がこれからもそうであるなら、スカートという服は女子が着るものだと決まっていると言っても過言ではない。ただし、スコットランドでは民族衣装として男子が巻きスカートを普通にはいていることは、一応押さえておこう。
このスカートという衣装のバリエーションの凄さと言ったら、ズボンの比ではないのは皆さんもご存知であろう。長いの短いの、ふんわりピッタリ、フリフリやスリット。上着とくっついた服や学校ではプリーツが幅をきかせている。
思うに、世間で言う「女子力」という言葉はスカートとセットと言っても過言ではないのかもしれない。
何が言いたいかというと、私たちが住んでいるこの日本という国では、スカートという衣装は女性のものだという刷り込みがあるというわけだ。それは法律で決まっているわけではない。ましてや、男子はズボン、女子はスカート以外選択肢がない学校においては、それを男性がはいて学校にいるなんてことは、おそらく今までなかっただろう。
そうなんだ。「あくまでも今までは」だ。
これはそんな殻を打ち破った令和の絶滅危惧種「番長」の物語である。よろしくお付き合いください。
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