第24話 新しい住人とうまうまカレー

アイリ達が帰った後。


ゆりこは久々の平和な日々を送っていた。


また、アイヤとアルファとアルカの3人で喫茶店で働いていた。


噂はすぐに広がり今回はお姫様達が喫茶店に来ていた。


狙いは、ゆりこの料理とアイヤとアルファとアルカ達だったが、ゆりこのフェロモンにやられていたお姫様達がたくさんいた。


お姫様A「あの~。ゆりこさん。コーヒーをお願いします。」


ゆりこ「分かりました。」


ゆりこが微笑むと心臓を撃ち抜かれた気持ちになる人が続出して、喫茶店はピンクのムードになりつつあった。


その光景を3人は見て微笑むのだった。


ポストの手紙が入れられた音が鳴り、アイヤはポストの中に入ってあった手紙を取り、ゆりこに渡した。


ゆりこ「ありがとう。後で読むわ。」


この日は、コーヒーを注文するお姫様達でいっぱいだった。


コーヒーを飲んで、ゆりこを堪能したらすぐに帰っていった。


お昼になり、お昼休憩で二階に上がり、ゆりこは手紙を読んだ。


""料理大会本選の案内。


今回、予選を突破した方々、おめでとうございます!


本選は、レックス城にて行います!


ゆりこさんは、センさんと1回戦戦う事になります。


1回戦の料理テーマパークは、野菜をたくさん使った料理になります。


午前9時までに、レックス城の門の前まで集合するように。


今回は助っ人1人連れてきても良いとする。


レックス王より""



ゆりこ「とうとう料理大会の本選か。それに相手はセンさん…。勝てるかしら。でも勝って、決勝でサラと戦わないといけないよね!よし!頑張ろう私!」


気合いを入れ直して、厨房へ行き、おにぎりを食べてお昼休憩交代をして、働いた。



午後からはまばらだったが、それでも店を開けて夕方まで頑張った。


閉店の時間になり喫茶店を閉めた。


門には、アイリ達と仲間達がいた。


ゆりこ「アイリさん。」


アイリ「決心しました。あの森は近々壊されます。壊されたら居場所はなくなるでしょう。」


ララ「なので、ゆりこさんの街に住んでも構いませんか?」


ゆりこ「もちろん!大歓迎よ!」


アイリ「ありがとうございます。」


リディックから走ってやって来た。


リディック王「私は、ユアリア街の王で、リディックと申します。今回は来てくださり、ありがとうございます。」


アイリ「ご丁寧にありがとうございます。」


リディック王「新しく土地を広げる予定でしたので、良ければそちらにお住み下さい。」


アイリ「そうさせてもらいます。」


リディック王「明日から建築を始めますので、家が出来るまでは私の城へ寝泊まりして下さい。」


アイリ「ありがとうございます。」


リディック王「それではご案内します。」


リディックはみんなを城の中へと連れて行った。


アイリはゆりこに手紙をエプロンのポケットに入れて行った。


ゆりこは手紙を読んだ。


""もしかしたらここが私達が探していた居場所なのかもしれない。


でもお金が貯まれば私達は、ユアリア街から出ていくつもり。


やはり人間と共存は出来ないかもしれない。


もし共存が出来たら本当の居場所になるかもしれない。


ゆりこさん。あなたはアルファさんに信用されていないわ。


アルファさんの心を読み取ったわ。


彼には、不安の文字と共に、ゆりこさんが死んでる姿があった。


あなたさえ良ければ、私達と共に来ない?


返事はいつでもいい。


私達は魔力仲間よ。


アイリより""



ゆりこ「アイリさん…。アルファが私の事を信用してないか…。やっぱりあの時、剣を抜こうとしたんだね。」


ゆりこはその場で泣いてしまった。


偶然、ユアリア街に遊びに来たサラが泣いてるゆりこを見つけて抱き締めた。


サラ「ゆりっぺ?大丈夫?」


ゆりこ「サ…サラ…。わ、私…。」


サラ「ん?どうした?」


ゆりこ「この街から出ようかな。」


サラ「えっ!なんでよ!」


ゆりこ「何か自分の居場所はここじゃない気がしてね…。」


サラ「あんたが創った街でしょ!ここじゃないなら何処よ!」


ゆりこ「何処だろうね。もう現代にはなくなったし…。」


サラ「ゆりっぺ…。私の元に来る?」


ゆりこ「サラ…。行きたい。」


サラ「料理大会の本選が終わったらおいで。」


ゆりこ「ありがとう。サラ。」


サラ「さぁ私が遊びに来たんだから、案内してよね!」


ゆりこ「分かった!」


ゆりこはサラと手を繋いで、ユアリア街を案内した。


浮かない顔をずっとしていたゆりこ。


サラは元気付けようと必死に頑張っていた。


最後にゆりこの喫茶店へ来た。


サラ「ここが、ゆりっぺの喫茶店か。何か昔に行った喫茶店を思い出すな。ゆりっぺ頑張って仕事してたよね。」


ゆりこ「昔か。あの時は楽しかったな。」


サラ「今は?喫茶店やって良かった?」


ゆりこ「えっ?それは…。」


サラ「ゆりっぺは何で喫茶店をやろうと思ったの?」


ゆりこ「やりたかったから。」


サラ「そっか。私も同じだけど、目標があってそれを乗り越える力を身につけたかったんだ!今は乗り越えて、立派なお店がある。ゆりっぺには目標ないの?」


ゆりこ「目標?ユアリア街を犯罪がない平和な街にしたい。」


サラ「あるじゃない!今は目標に向かって頑張ってみたら?居場所はすぐには見つからないだろうけど、話ならいくらでも聞いてあげる。」


ゆりこ「ありがとう。サラ。少し楽になった。」


サラのお腹が鳴った。

グゥゥ~。


サラ「食べずに来たからね。」


ゆりこ「何か作るよ。」


サラ「ならカレーがいい!ゆりっぺのカレー美味しいし!喫茶店にはカレー出さないの?」


ゆりこ「喫茶店じゃなくなるでしょ?」


サラ「喫茶&レストランにすれば、もっとお客さん来るのに。」


ゆりこ「考えとくよ!作るから待ってて。」


サラ「はーい!」


ゆりこは冷蔵庫を見て足りない材料を黒い板で言って、黒いカードで支払った。


手際よく野菜やお肉をギリギ鍋に入れていった。


喫茶店はカレーのいい匂いが漂っていた。


お皿にご飯をよそい、カレーを流し込んだ。


おぼんにスプーンと氷水と乗せて、サラの前に出した。


サラ「いい匂い!いただきます!」


スプーンですくい食べ始めた。


サラ「ん~!美味しい!カレーは、ゆりっぺより上手い人いないと思うな!野菜がこんなに美味しいし!」


ゆりこ「ありがとう。」


匂い誘われて、アイヤとアルファとアルカが来た。


サラ「カレーはダメ!」


ゆりこ「みんなお腹空いてるからいいでしょ?」


サラ「仕方ないな。」


3人は椅子に座りカレーを食べ始めた。


アイヤ「辛い!うまい!」


アルファ「異国の料理だ。美味しすぎる。」


アルカ「辛いけど食べるスピードが落ちない!」


ゆりこもカレーを食べた。


ゆりこ「まあまあかな。でもこうやってみんなで食べると美味しい。」


悲しい表情をしていたゆりこ。


サラは心配そうに見ていた。


カレーを食べたアルファとアルカは帰っていった。


アイヤが来た。


アイヤ「ゆりこさん。アルファの事で悩んでますよね?」


ゆりこ「何で?」


アイヤ「やっぱり。彼は、ゆりこさんに向かって剣を抜こうとしました。それは彼の祖父の敵だと思ったからです。敵の相手は、敵討ちで倒したみたいです。」


ゆりこ「そっか。」


サラ「えっ!剣を抜こうとした?ゆりっぺに?」


サラは怒り心頭した。


ゆりこ「けど少しでも私を信用してなかったのは変わらないよね。」


アイヤ「それは…。」


サラ「私はアルファを許さないからね。私の大切な親友に向けて剣を…。」


ゆりこ「落ち着いて…。」


サラ「だって…。こんなに、ゆりっぺが悲しんで悩んでるのに。あいつ謝罪の言葉もないんだよ。」


ゆりこ「サラ、ありがとう。」


サラ「私はいつでも、ゆりっぺの味方なんだからね!」


ゆりこ「分かってる。」


サラ「うん。私もうそろそろ帰らないとだ。じゃあね。」


サラは帰っていった。


アイヤ「ゆりこさん。これからどうしようと考えてますか?」


ゆりこ「今は目標に向かって頑張るのみかな。信用されてないけど頑張る。」


そう言って二階へと上がっていった。


アイヤはお皿を片付けて二階へと上がった。


ゆりこはとっくに寝ていた。


アイヤはゆりこの頭を優しく撫でた。



~ゆりこ特性カレー~


材料

⚪じゃがいも 適量

⚪人参 適量

⚪玉ねぎ 適量

⚪豚肉 適量

⚪ウィンナー 好きなだけ

⚪カレー粉

⚪水(カレー粉の通り)

⚪油(カレー粉の通り)


~作り方~


①野菜は皮を剥いて食べやすいサイズに切り、鍋に油をひいて炒める。


②玉ねぎがしんなりしてきたら、豚肉もウィンナーも食べやすいサイズに切り入れて炒める。


③水、カレー粉を入れて煮込んで、野菜に箸が通れば完成。

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