別れのような出会いのような

雨が降ったあとの匂いがした。


それが始まりなのか、終わりなのか。

何も分からなかったけれど、酷く心が揺さぶられた。


一粒一粒ふっていた雨粒の塊が足元に確かに存在していて、こちらを覗き込んでいるのだ。


あの空のどこまでも遠いところからやってきたのに、明日になればきっと、どこまでも遠くに、見えないところに行ってしまうのに。


きっとそれは、わたしだったのだろう。


何もかもが、わたしだったのだ。

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