転生して綺麗なお姉さんと暮らす予定です

いのかなで

第1話 転生しちゃうの私?

 転生したら、チートスキルを使って世界を旅してのちのちは綺麗なお姉さん捕まえてむふふな幸せな生活をしてみたいわ。

 そんなことあるはずないよねと最近流行りのネット小説を読み終えた私はアラサー30丁度になりました!斎藤絵美と申します。

 チートという概念は最近知ったばかりのなんちゃってゲーマーだったりして。このネット小説のおかげで変な知識が最近は豊富になりつつあります。ですが、実際にゲームというものをほとんどしたことはありません。そういったVRとかサバゲーとかいうのは私の若い時の時代にはなかったものです。最近のゲームはすごいなと思うばかりです。


 最近はめっきり色恋沙汰もなく会社から帰ると虚しく一人飯にネット小説にハマってしまっている残念女子になりつつあります。そこ!女子?とか疑問持たない!

 それはそれで、自分的には満足といいますか。料理もそこそこ、家事もそこそこ、仕事もそこそこできますので、一人暮らしは満喫してはいるのです。しかーし!それはこの生活を続けて行くのが長くなる度に、寂しさとは友達の状態が続いており、ひじょーに物足りなさを感じてしまうんです。


「転生できたらいいのに」


 どこかに転生できるボタンかなんか落ちてないかしら。と思いつつ、転生という意味を考えてみると、私、一回死ななきゃできないじゃないと思いなおします。そういう世界には行ってはみたいものの転生信じて死ぬとか馬鹿でもしないわ。じゃあ転移ならばどうよ?と違った行き方を考えてもどちらも現実的ではない話です。


 まったく、SFの世界よねと馬鹿らしくもあり、でも、夢があっていいよねとも思ってしまいます。


 そう思っていたのはいつの頃だったでしょう。

 私は、いつの間にか死んだんでしょうか?それとも、転移したの?

 そう、それは異世界への入り口。なんでわかるかって?だってご丁寧に


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 異世界へようこそ!どうぞ夢の世界はあなたのものです。


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 って書いてあるんだもの。真っ白い空間に巻物?みたいな、あ、これ羊皮紙とかいうよく転生もので出てくる紙だわ。それが、宙にういてこっちに見てみてって光ってるのよ。


 でもその入り口というのが書いてないわけで、なぜ?と悩んでるんです。


「あー聞こえますかどうぞ?」


 天から聞こえたらしい?男性の声に、あ、あれね。神様ね。ときたきたと思って、無線みたいな言い方する神様もいるのねと笑いかけました。


「聞こえますよ神様ですよね」

「そうじゃが、なぜ知っている」


 という男性の驚きの声にやっぱりねという定番のくだりに得意になります。けど、実際、これから始まるらしき冒険はどんな感じなんだろうと神様が現れたことに不安になったりもするのです。


「まず、私は死んでこの世界に来たということでよろしいのですか?」

「ああ、そうじゃ。しかし、おぬし、この場所には初めての割にえらく慣れているようじゃが」

「いや、それはあれです。私の元の世界の知識があるからそういったこともあるのかなと思っただけで、慣れているというわけではありませんよ?」

「そうじゃったか。それならば話は早いの。おぬしには異世界でのんびり生活してもらおうかと思っているのじゃ。」

「えっとそれは、手違いで死んだからとかいうやつですか?」

「そこもわかっておるのか!?」


 信じられんという声だけの神様なのですが、それって、こういうスローライフの類って神様が本当に申し訳ないというお詫びを兼ねてあげるものなんでしょ?そうでないのならば、冒険に魔王とか退治しろとか世界を救えとかいうやつだったりでしょ?じゃあ、私ラッキーな転生じゃない?とワクワクが止まらないわ。


「では、転生先についてじゃが、いくつか選択肢を用意してあるのでの。好きなところを選んでかまわん。」


 そう言ってまた新たな光る羊皮紙が目の前に現れたんです。


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 1.男爵家の長女

 2.漁師の娘

 3.教会の修道院で育てられた娘

 4.農村の娘

 5.商人の娘

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 しばらく考えました。これってどういった基準で決められたんでしょう。まず、男爵家の長女なんかは絶対ダメでしょ。だってすぐ政略結婚させられそうだし、好きでもない男に嫁ぐとか絶対無理だもの。それに漁師の娘かぁ何か忙しそうだわ。それに、商人の娘も何気に大変そうな気がするし、商売のうんぬんかんぬんを叩き込まれそうな感じよね。じゃあ、この2択になるわけよね。孤児か農村の娘という。


「悩んでおるの。心配せんでも、割と裕福なところにしておいたぞ?それに、修道院というても孤児というわけではないのじゃ。育てられたのは修道院じゃが、親元もはっきりしておる。事情により修道院で育ったというだけに過ぎん。」

「その事情というのが気になりますね」

「おぬし、慎重よの。」


 これから始まるスローライフなのよ?そこは慎重に行きたいものよね。短くても30年、長くて60年くらいはその世界で生活することになっちゃうんだから。ここで間違ったら一生後悔することになるかもしれないし、ここは慎重にね。


「決めました!農村の娘で」

「承知した。では、スキルの選択じゃな。どういったスキルが欲しい?」


 どういったと言われててもあまりよくわからないんですけど。とりあえず、定番は言語理解とか喋れるスキルよね。あ、そうそう、アイテムボックスとかいうでっかい収納なんかもいるかも。戦いのスキルは全くわからないわ。そこは適当にお願いしようかな?あ、けど、作るスキルというのは欲しいかも。


「では、言語理解とアイテムボックス、錬金関係と戦うスキルを適当に割り振っておくの。」

「はい、それで大丈夫です。」

「それでは、準備はよいか?」

「あ、あともう一つ。私ってなんで死んだんでしょう?」

「あ、まだ言ってなかったの。次元の狭間に飲まれたのじゃ。それでは行ってくるとよい。」

「え?あーーー」


 まだ話終わってないのにと叫んだのですが、神様が出したであろう異世界への入り口に飲み込まれた私。

 さてさて、どんな世界が待ち受けているのでしょう。



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