とろんの音色

とろん

プロローグ

第1話 演奏会は夢の国

「以上を持ちまして第31回星ガ浜高校定期演奏会を終了致しまします。お忘れ物など無いようご注意下さい。本日はご来場誠にありがとうございました」


 明るくなった客席で僕は暫しの間感動の余韻に包まれていた。


「ふぁー、凄かったなぁ」


 オリジナル(何がかは謎)ってのを何曲かやった第一部、初めて聴く音色に、音圧に、呼吸、奏者の一体感、初めての吹奏楽の世界に僕は一曲毎にどんどん入り混んでいった。


 そして第二部、ポップスやジャズ等色々な曲を組み合わせてミュージカル仕立てにした演出、クルクル変わる色とりどりの照明、演奏しながら踊る奏者達。ワクワク楽しい夢の世界。


 さらにさらに第三部、クラシックの大曲を吹奏楽用にアレンジしたらしい。(たしか、トゥーランドットって曲)自分も聴いた事が有る曲でCMとかにも良く使われているような…。大曲らしく壮大で荘厳、そして時に悲しく切なく、何か場面場面で物語を連想させる曲(えっ?オペラって言う歌劇で物語なの?知らなかった…)

 雛壇上の金管楽器の輝かしい音、木管楽器の美しい旋律、迫力の低音群、ドラマチックなティンパニと音楽を飾るパーカッション!!


 暗転からの最後を飾る楽しいアンコール「宝島」。


 しんみりしみじみ「ロマネスク」



 そしていま…。


「決めた!僕も絶対に吹奏楽部に入っる!!」










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