第2話 定住

 よくわからないけど、我が家にカワウソがやって来た。

 文字通り、そのままの意味でやって来た。


 推察するに、魚を投げつけてインターホンを鳴らしたみたいだ。

 信じられないけど、インターホンが生臭いから……。

 サバ臭いから……。


 とりあえずカワウソを招き入れ、話を聞く……。



 なんてことは出来るはずもないだろう!!


 しかし、このカワウソはこちらの心情を察したのか、そこら辺に置いてあるペンを手に取り……







 遊び始めました。


 うん。知ってた。


 遊んでるカワウソをボーッと眺めながら、こいつをどうするか考えていると……


「キュー!キュー!」とこちらに何かを語りかけてくる。


 何やら指をさすような動きをしているので、その先を見てみると、そこには——





 やけに達筆な字で……



「住む」



 と、断定形で書かれていた。






 床に——油性ペンで。



 こうして、よくわからないけど、我が家にカワウソがやって来た。

 文字通り、そのままの意味でやって来た。

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