異世界トラックの運転手

こたつむり

第1話

私の仕事はトラックの運転手だ。

何人もあちらの世界に子供を送り込んだ。


正直、あまり良い仕事ではない。

なんたって、人を故意に轢かなければならないのだから。

轢かれるときの彼ら彼女らの絶望した顔。


なんで俺が、私がって。


轢くまでの一瞬が私には永久のように長く感じられる。


そしてどんっと、重い衝撃が体にのしかかる。


「さっさと元の世界に帰れ、化け物が」


私はトラックの運転手。

死んだことに気づかない子供を

あちらに還す仕事をしている。

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異世界トラックの運転手 こたつむり @kotatumuri

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