第6話 現有戦力
ミノリン先生が着替えた戦闘服は、グレーの市街地迷彩だった。モザイク状の迷彩パターンがカッコいい。
そして彼女はM16アサルトライフルを構える。何でミノリン先生が、米軍の正式兵器を持っているのだろうか。
「昨夜、幸いにも我々は意志疎通を図ることができた。まあ、お前たち三人と食事をした後だがな」
私はその言葉に頷く。
ミノリン先生は話をつづけた。
「さあ紹介しとこうか。トリニティは魔法使いだ。古代なんちゃら帝国の末裔だったかな?」
「魔法使いはよしてくださいよ。勘違いする人がいますからね。ムーのウィザードって呼んでください」
トリニティは魔法使いの方を訂正した。ウィザードって魔法使いって意味じゃなかったのか。それに、なんちゃら帝国はOKなのか……。いやしっかりとムー帝国を示唆しているんだが。
「そして義一郎は宇宙人と親交がある。今回は
「はいそうです。連合宇宙軍から戦闘人形エリダーナ・セイバーを拝借できました。ビームライフル装備型です」
え?
理解できないんですけど。
宇宙人?
戦闘人形?
なんちゃらセイバー?
全く意味不明だ。
「そしてミミ先生は戦車だな」
「ああ。旧陸軍の三式中戦車チヌ改だ。異次元転移を応用し、終戦のどさくさに紛れてかっぱらってきた奴がある。主砲は英国製76・2ミリの17ポンド砲に換装してあるぞ。こいつはドイツ軍の88ミリに匹敵する貫通力を持っている。エンジンもいすず製の四気筒ターボディーゼル二基に換装済みだ。240馬力が二基で480馬力だぞ。これはオリジナルの三倍近い出力になる。ふふふ」
不敵な笑みを浮かべるミミ先生だった。
戦車?
旧陸軍?
もう何が何だかわからない。
「最後だな。私は海外に拠点を持つPMSC(private military and security company、民間軍事会社)の一員で、傭兵派遣業も営んでいる。そこでインストラクターもしていたからな。戦闘経験は豊富だ」
只者ではない雰囲気なのは知っていたが、そこまでとは知らなかった。
ミノリン先生は、くの字に折れ曲がった大型のナイフと自動拳銃を腰につるす。
自分の身の回りにこんなヤバイ人たちがいたなんて……。私はもう、腰が抜けそうなほど驚いてしまった。
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