異世界からの侵攻

第1話 美の女王

 私たち三人がミミ先生に告白した翌日、私は呼び出された。呼び出したのは英語教師のミノリン先生こと美濃林檎みのりんごだった。


 超絶美女。

 絶対美脚。

 完璧体形。


 女の私から見ても、これだけの美形にはなかなかお目にかかれない。


 私は今、カウンセリングルームにいる。

 私たち三人がミミ先生に告白した事は既に噂になっている。それが理由で呼び出されたのだろうか。


「アンタたち、面白いね。お前さんがリーダーなんだろ?」


 ニヤニヤしながら問いかけてくるミノリン先生。


「三谷から奪うつもりなんだろ」


 何を奪うというのだろうか。さっぱり意味が分からない。

 まあ、ミミ先生の貞操だったら奪いたい気持ちはあるんだけど、そんな事を一々聞いてくるはずがないと思う。


「意味が分かりません」

「だから、アレだよアレ」

「マジで意味不明なんですけど」

「ふーん。そうか。まあ、足元をすくわれないよう気を付ける事だな」

「それどういう意味ですか?」

「夜道に気をつけろ。それと転校生だ」


 夜道と転校生。誰かが私を襲うかもしれないって事?

 転校生って誰よ。


 私が真剣に考えているのを見て、ミノリン先生は部屋を出ていった。超絶形の良い尻が左右に振れる。それを見てふと思った。やっぱり女は尻だ。胸じゃないと。


 その日はミノリン先生の忠告に従い、暗くなる前に帰宅した。星子と波里も一緒だった。

 散々脅されたのだが、何事もなかった。一体、何があるというのだろうか。私にはさっぱりわからなかった。

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