第57話『アルタラン決戦③ 日本案』



「ユーストルを開発特区にするんです」



 これが日本が出したハーフ対策案。


 しかしながらその関連性の無さに、日本委員会は怪訝な表情を見せた。



「ササキ首相、ユーストルを開発特区にすることがなぜハーフ対策になるのですか? ご説明願います」



 委員会の一人の大使が訳を聞き、佐々木総理は説明した。


 懇切丁寧に説明すると二時間は軽く掛かり、要約するとこんなところだ。



 日本人とリーアンの出会い、交流、交際、結婚までは容認するものの、避妊の徹底に手続きや維持を面倒にして法的に『愛』を阻害する。


 それでも必ずハーフは生まれてしまう考えから、結婚までの自由は保障しつつも世界に分散することは避けないとならない。どの国でも天才は確保したいだろうが、天才よりは純血の保存を優先して一ヶ所に集めるのだ。



 その絶好の場所がユーストル。



 直径四千キロもあれば拘束の意味合いは薄く、その原因である日本もあるのと今後大規模な開発が見込めるためその能力を腐らせることもない。


 ただ、そうなるとハーフが生まれた国々から独占と責められるため、厳正な検査を受けて認可を受けた外国企業をユーストルに誘致する。



 無尽蔵のフォロンが眠るユーストル。さらに将来的にハーフも全て集めれば大きな火種になる。しかしアルタランや他国にユーストルを管理させるわけにもいかないための外国企業誘致だ。


 多国籍で構成する天空島で一時から三次産業全てをユーストルに詰め込む。


 人が増えれば様々な危険は増えるが、厳正な検査をした上であればある程度下げられるし、せっかくの天才性を腐らせることもない。



 そして最大の焦点であるハーフの公表については、天才性は伏せて先述の方針は永続的な遺伝子汚染の危惧による対処とする。


 天才性を伏せるのは、遺伝子汚染を軽視して天才のみを求めて動かれることを防ぐためだ。


 単にハーフであれば夫婦以外で研究以外求める価値が低いから、それだけでもハーフの出生率は低くなろう。



 これをハーフ防止条約として各国に批准させ、日本と国交条約を結ぶ場合はこの批准を前提とする。


 他にも細かい防止案はいくつもあるが、要約を抽出すればこれが日本が考え出したハーフ防止案だ。



「以上が我々が考えたハーフ対策案です」



 日本政府が考えた日本のハーフ対策案の説明は、実に二時間半も掛かってしまった。


 前のように佐々木総理の言葉として羽熊が話しても良かったのだが、途中何度も遮るように委員会から質問が飛んでくるため、総理の言葉を訳す形で話したからだ。



「もちろんこの案は問題点だらけです。結果的には世界経済に大きなプラスとなりますが、それは理想が現実となった場合だけで、実際は各国の思惑で五割に至ればどうかでしょうか」


「ああ、首相の言う通りだ。貴国の案は奇抜であり、不可能とも言える」



 説明している間、ずっと黙っていたモーロットは重い口調で返す。



「確かにその案が実現すれば世界に利益をもたらすだろう。フォロン結晶石は安定的に各国に流通し、各国の浮遊都市が密集することで活動も活発になる。ニホン企業も参加すれば、異星の技術が得られるとして発展は間違いないと言える。しかし危険性もまた絶大だ」



 ダメ出しは想定済みだ。どんな上手い案でも、聞く人によっては反論される。


 むしろ一発で通れば逆に警戒する。



「それはアルタランの案もまた同様でしょう?」



 危険のない案などない。総理は主導権を握られないようすかさず返す。



「ササキ首相、以前ニホンは仰ったことをお忘れではないか? ニホンの文化が我々の文化と接触した時、どう変化を起こすか分からないと」


「もちろん覚えています。開発特区が施行され、我が国の天空島が活動する場合は許可がない限り、国境線を越えることはないでしょう。異星間文化の接触による変化は、前に話したように試験的な天空島を用いて行う方針です」



 どの道日本は独自の天空島を建造する必要がある。費用は数百億か数千億かは分からないが、国内経済の立て直しを図らない限り建造は出来ない。貸与されたとしても天地生活圏の違いから不便を強いられる。


 もし日本が開発特区に参戦するなら、やはり共同か独自設計の天空島が不可欠だ。



「しかしながら我が国はレヴィロン機関のノウハウが一切ありません。技術提供を受けるにしろ独自開発をするにしろ、我が国基準の天空島を建造するのであれば長い年月を要します。仮に今年度中にイルリハラン王国が開発特区を認めたところで、日本はすぐには参加しません」



 佐々木総理はリクト国王代理を見る。



「ササキ首相一つ問いたいが、開発特区の設置は必ずしもするわけではないな?」



 腕を組んで考えるリクト国王代理は佐々木総理に尋ねた。



「誕生したハーフ対策だけで言えば不要と言えます。一ヶ所に集めるのは必須ですが、その場合は日本領ユーストル内となります」



 能力が一般人より秀でるハーフの保持は、各国にとってハイリスクハイリターンとなる。


 その才能を開発等に注げれば飛躍的な発展が望めるが、逆に首を絞める可能性も出る。


 それを避けるため、ハーフに関して中立になれる日本領に集めるのが都合がいいのだが。



「それでは皆さんが納得しないでしょう? 知能の高いハーフを日本だけに集めれば独占として非難しますし、ハーフの力で生まれた技術も独占する可能性が出ます。生まれてしまったハーフの才能を世界に活かすため、開発特区と言う形でユーストル内で生活をさせたいのです」



 生まれてはならないからこそユーストルから出すわけにはいかないが、生まれただけで施設に拘束しては人権団体から抗議を受ける。


 抗議を最小限にするため、ユーストル内の活動までは容認したいのだ。


 直径四千キロもある土地だ。それよりも狭い島国で一億二千万人のほとんどが一生を過ごすのだから、決して閉じ込めるとは思われない。



「開発特区の設置は、中長期的にはイルリハランとって損にはならない考えです」


「軌道に乗ればな」



 はっきり言って日本案は机上の空論だ。実際にしようとすれば様々な思惑や妨害で上手く行かない場合が多い。


 それでも日本はこの案を推し通すしかない。



「ササキ首相、案としては良いかもしれないが、現実にするには越えなければならない物が多すぎる。代理ではあるが、王としてその案をすぐに支持することは出来ない」


「分かっております。我々も今ここで採用されるなど考えておりません。あくまで、現状で最良と思える案を提示したまでです」



 どんな政策も一度で決まるはずがない。


 アルタランの農奴政策だって日本は即座に反対するように、日本の案もまた反対が出なければならない。


 だから協議があるのだ。



「一つお聞きしたいのですが、現在我が国が提示したような開発又は経済特区はありますか?」



 今までの交流でもそうした話は一度も聞いていない。経済の基礎は地球と同じく資本主義と社会主義の二つに大別されるが、天空島など不動産の逆の可動産は未知の分野だ。


 日本では引っ越しではなく土地との物を移動させる考えはないから、話を聞こうとしてもそうした発想がない。


 今だからこそ開発特区の話が生まれ、現実的か佐々木総理は委員会に尋ねる。



「過去に公海上で経済特区として実施したことがあるが、三年ほどで廃止となった」


「たった三年でですか?」


「二十ヶ国の企業が参加する一大計画だった。大中小と様々な企業が隣接することで経済は確かに右肩上がりで発展していった。だが並行して犯罪もまた増えた」



 話を聞くと、特定の国ですることを忌避して公海上で実施したため、治安を取り締まる組織がいなかったらしい。世界軍はあくまで軍で警察の権能は持っておらず、アルタランには警察機構がなかった


 一応統治機構としてアルタランがいても、アルタランは国際組織。完全な中立とはいかなかった。


 結果、経済と犯罪の混在する街となり、一つのテロをきっかけに廃止となった。


 そのテロによって一万人級の中型天空島が一つ海に落ち、三百人が亡くなった。



 だから天空島と言う移動できる土地を持っていながら、世界に点在して密集していないのだ。


 国際レベルではともかく、国レベルでは密集する方が経済は発展しやすい。


 なのに天空島同士が少なくとも千キロ単位で離れているのは、これが原因だ。


「仮にイルリハラン王国の監督下に置こうと、多くの国が密集すれば甘い蜜を吸おうと犯罪者も増えよう。イルリハランの警察では対応できないと思うが、そこはどう対処する」



「日本領ユーストル内であればお答えできますが、イルリハラン領ユーストルに我が国は口出しできません」



 散々ユーストルを開発特区にすると言っておきながら図々しいが、それは大まかな案であって具体的な案までは言えない。



「他国任せの案など聞いたことないな」



 ウィスラー大統領が追い打ちをかけるようにダメ出しをする。



「そんな粗を探せば山のように出てくる案より、ニホンを封鎖する方がはるかに安上がりだ」


「我が国はその案には一切応じるつもりはありません。その場合は全力を持って抵抗させていただき、ウィスラー大統領のハーフであることを天才性も含めて公表します」



 今はまだ自白の段階で学術的証明はされていない。と言うのも、遺伝子検査はすぐには出来ないから即座に判明することはそもそもできないのだ。


 今日全てを終わらせる考えから、遺伝子検査を省いて自白を元にハーフ対策の議論をしている。


 万が一嘘だったとしても、アルタランメンバーの前で大統領が自白をしたのだ。いまさら撤回は出来ない。



「そもそもその案で粗が出ないのであれば、なぜ我が国とラッサロンは指揮系統独立までしてまで抵抗するのでしょうか?」


「ぬ……」


「この世に完璧で文句の出ない案等ありません。どんな素晴らしく思える案も、視点を変えれば逆になります。そう言う意味では我々の案と皆さんの案、一体何が違いますか?」



 佐々木総理の言う通り、日本案も視点を変えると隔離政策に近いと言える。



「ところで開発特区の事ばかり質問がありますが、ハーフ対策についてはありませんか?」


「ハーフに関しては人権を考えればそこらへんだろう。だが、ハーフがいずれ必ず誕生すると言うくらいだ。生まれてくる全員が我々より知能指数が高いことを、永久に秘匿することは不可能と分かっているのだろうな?」


「それは我が国が考る事案ではなく、この場にいる全員で考えなければならない事では?」



 モーロット議長はさりげなく日本に押し付けようとして、すぐさま切り返した。


 ハーフはどんな結論になるにしろ公にしなければならない。そこから始まっている以上、こればかりは隠し通すことは不可能だ。


 しかし天才性が知れ渡れば、遺伝子汚染やハーフたちによる反乱を度外視して国や組織が動く恐れがある。すると起きるのが日本誘致ではなく日本人拉致だ。



 狙われるのは女性ではなく若い男性だろう。女性は年に一人だが、男性は女性の数だけ並行して子を作ることが出来る。


 そうした問題を未然に防ぐためにも天才性は伏せる必要が出るのだが、それは全員で考えることで日本だけがすることではない。


 なのにさらっと日本に任せようとしたのは、秘匿の確実性がなく露見した場合の責任を取りたくないからだろう。


 日本だって自分だけ責任を負いたくない。



「モーロット議長、こうして延々とアルタランの案と我々の案で平行線の議論を続けても構いませんが、そろそろ昼食会の時間が来ているのでは?」



 会議場の時計を目にすると、時間は十一時半に差し掛かろうとしている。


 昼食会は十二時からを予定しているから、そろそろ職員が声を掛けに来る頃だ。



「……非公開である本会談と違い、昼食会はメディアに公開される。それにニホン案が有効かどうか本国と検討する時間も欲しかろう。出来ればこの時までに案を定めたかったが、複数案がある以上検討せねばならない」


「検討に余地があるのか? ニホン案は粗だらけで抜け道は豊富にあるんだぞ」


「それは我々も案とて同じことだ」


「どの案も妥協は必要だ。であれば世界より一国の方が損害は少ない」


「その代わり世界はユーストルを失う可能性が出ますが、世界はそれを容認しますでしょうか?」



 ここで折れれば日本に未来はない。


 佐々木総理は脅しとも取れる姿勢でモーロットを見る。


 表情こそ穏やかであるが、声は決意あるもので折れない意思が受け取れる。羽熊もただ訳すのではなく、日本の『意思』を明確に伝えるよう細心の注意を払いながら話す。



「図に乗るな地に付く人種が」


「そう言うあなたの父親も地に付く人種では?」



 どれだけウィスラー大統領が強気に言おうと、ハーフを日本に看破された時点でレーゲンの国是である力は失われている。


 軍事力の行使として今の日本には政治的カードにはならないのだ。



「会談は一時中断し、昼食会の間に本国の判断を乞うこととする」



 モーロット議長はそう断言した。


 おそらく日本委員会の各国政府は農奴政策推しだったが、日本案は検討の余地があるとモーロット議長は判断したのだ。


 大使でありながら国家元首と同等の権限を持つゆえに、その言葉には重みがある。



「日本案を採用せず、今この場で我々の案を推す国があるなら挙手を願いたい」



 真っ先に手を上げるのはレーゲンのウィスラー大統領一人。


 他の国々の大使は手を上げない。


 少なからず、農奴案を推し通す危険性と日本案の有効性を理解した証だ。



「それでもお前たちは!」



 ウィスラー大統領からすれば仲間であった委員会からの手のひら返しをされたようなものだ。激昂してテーブルを叩いて席から立ち上がる。


 空を飛んでいると言うのに日本人が席から立ち上がるように見せるとは器用だ。



「ウィスラー大統領」



 大統領の怒りに日本委員会の面々は萎縮しかけるところ、佐々木総理は凛とした口調で言った。



「あなたは一人ではありませんよ?」



「…………」



 総理の発言で会議場には妙な空気が蔓延する。


 その適切かどうかわからない一言で頭に上った血が下がったのか、ウィスラー大統領は無言で席に座った。



「ゴホン、昼食会が迫ってきているため、午前の会談はここまでとする。各大使は本国にニホン案が有効かどうか検討してもらい、午後多数決を取る」



 地球の国家同士や、フィリアの国家同士であればこうしたグダグダ感を臭わす会談はしないだろう。事前に準備をし、形ばかりの会談をして国家間の結論を出す。


 しかし日本が転移したことで既存の知識を覆すことばかりが起き、全てが受動的で即興で対処していかなければならなくなった。



 イレギュラーが満載ゆえに、少なくともこれが今の国際政治。


 その後、わずか五分でメディア用欺瞞情報を考えて午前の会談は終了となった。


 元々はレーゲンが日本に行った行動の謝罪に関する会談だったから、レーゲンが公表した新情報による平行線の一言で済むから楽なものである。


 新情報はもちろんハーフであり、こればかりは公表は絶対であるため非公開の不信感を失くさせるためアルタランは公表した。



 天才性は当然伏せるし、詳しい内容は省いたが世界はユーストルにフォロンが埋蔵しているほどに驚くだろう。


 ハーフについては夜に会見で話すとし、舞台は昼食会へと移った。



      *



「お疲れさまでした」



 会議場から昼食会が行われる会場に小型飛行車で向かう間、羽熊の隣に座る佐々木総理が労りの言葉を掛けてきた。



「いえ、私はただ総理の言葉をそのまま訳しているだけです」


「博士がいたからこそ、問答無用での農奴政策の決議を免れました。我々の案を検討させられることが出来ただけでも一つの成果と言えます」


「……アルタランは乗っかりますでしょうか。こちらの案に」


「正直分かりません。核兵器をブラフとして押し通すことは考えられますし、そもそも電磁パルスを信じないこともありえます」



 現時点で日本に核兵器はあっても使用可能状態ではない。使えるようにするためには数ヶ月から半年はかかるらしく、そこに気づかれると一気に農奴政策を推し進めてくる恐れがある。


 日本の説明では効力と可能性は明確にしても、実際に使うとは明言していない。


 印象としては使って然るべきとしているが、明言を避けている分言い逃れは出来る。



「あとは人事を尽くして天命を待つってところですか」


「言いたいことは言いました。まあ内政干渉前提の案なので、突破する壁は厚く何枚もあります」



 アルタランの総会や各国の議会や国会の決議を経なければ実現しない。



「最悪の場合は……」


「日本国首相として、国民を他国の監視下に置かさせるわけにはいきません。国としての尊厳と自由を守るため、負けと分かっていても抵抗します」



 農奴政策は比較的簡単に実行できるが発展は見込めず、特区政策は実現までの道のりは辛いがその後は未経験の発展が見込める。 


 日本視点だが、やはり農奴政策よりは特区政策の方が未来がある気がしてならない。


 やはり物事は、苦労した末の結果の方が簡単な方より良い気がする。



「それにしてもウィスラー大統領、ずっとお一人で生きて来たんですよね。ハーフと誰にも言えず、バレたら地位だけじゃなくて研究所送りかもしれなかったんですから」


「ええ、資料ではハーフの存在は、研究施設が墜落した時でも研究所と政府の数人しか知らなかったようですし、そこから十数年間表に顔を出さなければ悟られはしなかったでしょう」



 それでも歴代大統領はハーフを認知していたはずだから、特徴から気づかれないようなんとかしてごまかしたのだろう。



「私だったらどこかで心が折れていると思います」



 同族はいない上に、下手に正体を知られて通報されないためにも友人や恋人は作れない。


 母親も幼い頃に亡くなったらしいから、半世紀近くを文字通り独りで生きてきた。


 もし羽熊が同じ境遇となれば、必ずどこかで折れる自信があった。



「だからこそ知ってほしいんですがね。我々がいる以上もう一人ではないと」


「地球のハーフと、異星間のハーフはまた違いますよ」



 佐々木総理の言いたいことは分かるが、それは地球人同士でのハーフでの話だ。異星人同士ではまた異なる。


 それに家族や他のハーフの仲間がいるのと違ってウィスラーは正真正銘一人だ。正体を明かせないから友人も恋人も、家族を持つことも許されない。


 片割れの人種がいるからと言って、一人ではない常套句は通じはしないだろう。


 その言葉を聞いてすぐに座ったのは気になるが。



「少なくとも同じ政治家から見て、ウィスラー大統領は北とは違います。それは断言できる」


「強硬手段だけはしないでほしいですが」


「そうなれば世界に委ねるしかありません」



「……奪い合えばたらぬ、分け与えればあまる……」



 ふとその言葉が過った。



「その言葉、確か詩人のでしたね」


「ええ、今まさにこの二択かなと思いまして」


「信用しましょう。彼らは自分たちの大義で動いています」


「はい」



 日本委員会は私利私欲で動いていない。リクトもウィスラーもだ。全員大義のために動いているからそこを日本は信用する。


 地球で世界大戦を経験して敗北し、転移してもまた世界大戦が勃発して敗北する。


 それだけは何としても避けなければならない。


 小型飛行車はアルタラン職員の誘導である扉の前で止まる。


 その入り口周辺にはメディア関係者が待ち構えており、凄まじい数のフラッシュがたかる。


 他にもアルタランの職員も大勢いて、佐々木総理は軽く手を振った。



「ササキ首相、昼食会の会場に到着しました。見栄えは良くありませんが、担いで運ばせていただきます」



 どうあってもフィリアの施設は日本人には適していない。


 ルィルの掛け声で、再び抱えられて入室すると言う決して画にはならない形で昼食会の会場へと向かった。

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