問2-2 アニメ座席になりたい(メリット)
好きな女子は窓側の一番後ろ、その右隣に自分が座る。後ろから邪魔をする敵はいないし、右側は自分で守る。
将棋の守備陣形で言えば穴熊囲いだ。王を、いや女王を一番安全な奥に置き、堅固な守備で固める。自分はその隣で白馬の貴公子(気功師ではない)のごとく守る、桂馬になる。これで彼女の心には、秒速5センチメートルのスピードで辿り着けるだろう。
また窓際というのも趣がある。外を見るふりをして、太陽の光を浴びたキラキラとした好きな女子を、チラ見する。それは、印象派の巨匠、ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の肖像」の絵画を鑑賞する感動に等しい。
もはやこれ以上の、美辞麗句は無意味であろう――。
では僕の、いや僕たちの高貴な理想が、現実となる可能性を計算してみようではないか。
つづく
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