古い約束

「約束したんだ。友達と」

 だからここを離れるわけにはいかない。と彼は続けた。もう何年も彼はここにいる。最低限の衣食住を整えて、ずっとここにすんでいる。

「彼はきっと来るから。」

 確かに僕は君と約束をした。でもね、この約束は果たせなくなったんだ。だから君には自由になってほしいのに、ちっとも聞いちゃくれやしない。目の前にいるのに、君は僕に気付かずに、独り言を呟き続けている。

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