第51話
時は流れる。
時間は平等。
ここへ来てから、毎日があわただしい。
良く言えば、充実している。
ただ、方向音痴なのは変わっていない。
「私たちは、ここの卒業生」
鈴奈先生・・・
いや、鈴奈お姉ちゃんというべきか・・・
7人の先生たちとも、すっかり馴染んだ。
7人もいると、普通は派閥が出来るが、上手くやっているみたいだ。
ただ、僕を男としてはみていないようだ。
ホッとしているが、少し残念・・・
7人のお姉さんたちの扱いかた・・・と言えば、聞こえは悪いが、わかってきた。
鈴奈先生は、明るいので少しは甘えたところをみせてもいい。
鈴代先生に家庭科を習い、女子力が付いた。
今では、他の先生たちよりも、上手い。
ただ、作法にはうるさいので、気を付けたほうがいい。
ほとこ先生は、礼儀正しいと思っていたが、こういう人ほど、怒らせると怖い。
口調が丁寧なだけに、余計に怖い。
ただ、その後は優しくしてくれる。
京先生は、男勝りに見えて、意外と乙女チック。
なずな先生は、日本語に厳しい。
べら先生は、鈴奈先生とは真逆で、繊細。
気を遣うが、僕と似ているかもしれない。
瀬梨先生は、きっすいの関西人。
なんでも、関西にこだわる。
ていうか、こだわりが強すぎる。
「お餅は丸餅や!角餅は認めへん」
その鶴に一言で、お正月のお餅は、丸餅になった。
まあ、僕も賛成だ。
ただ、いくら仲が良くても、もめるときはもめる。
お餅がその例だ。
ちなみに帰省はしていない。
お姉さんたちも、帰省していない。
ただ、外部からの連絡が、ほぼない。
食料を配達してくれる人はいるが、それだけで、荷物も届かない。
完全な無人島だな。
そう思っていた矢先、鈴奈先生に呼び出された。
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