魔王退治にはポーションを

星野REN

第1話 気まぐれに巻き込まれました。

「おはよう!やっと目が覚めたんだね!」


ライトノベルを読んでいる人なら1度は考えるだろう。

「異世界に行きたい」と。

出来ないと分かっていながらもそう思ってしまう。

俺もそのうちの1人だ。

でももし、それが本当に起きてしまったら?


気がつくと見知らぬ部屋にいた。

あたりはコンクリートのようなものに囲まれていて、俺はど真ん中に座っていた。

そして、目の前にいる銀髪金眼の美少女。

・・・ちょっと頭が追いつかないんだけど。

もしかして、もしかしてなんだけど!?


「やあ、私はアリエル。君たちがいう異世界の神様さ!」

「なんでその神様がここにいるんですか。」

「いやね?私の世界は元々平和だったんだけどさー、どっかの誰かが魔物の力に飲み込まれちゃって。」

「だから俺が勇者になれ、というわけですか?」

「さっすが、ラノベオタク!話がわかるね!」

「いや、無理でしょ」

「諦めんなよ!」


考えてみてくれ。


魔王。

魔物の王。絶対強い。大体、ゲームのラスボスとして扱われる。


俺。

男子高校生。運動音痴。ラノベオタク。


・・・勝てる要素ZEROじゃん。

「そもそも、なんで俺を選んだんだ?」

「んー、気まぐれかなー」

「普通、世界の命運を託す人を気まぐれで選ぶ!?」

「安心して!ちゃんと特典はつけてあげるから!」

「つけてくれないっつったら俺はお前を殴っていたわ。」


そういうとアリエルは俺に手を向けた。

その瞬間、俺は淡い光に包まれ、力が流し込まれるような感覚がした。


「まずは一般冒険者よりも魔力とパワーをあげるでしょー?経験値増加にー、あとは・・・うん!これでOK!」

「最後何をさずけたんだ?」

「それはあっちに行ってからのお楽しみ!あ、あともう1つ。」


アリエルがゴソゴソとポケットを探る。

すると小さな巾着袋がでてきた。


「この中にお金と最初にやるべき事を書いたメモが入ってるから!」

「ああ、ありがとう。ところで、お金の価値って・・・」

「んーと、そっちで言う1円がこっちの1エリーだね。」

「おー、あんま変わんないか」

「もう大丈夫?じゃあ、そこの扉を開けて!異世界に旅経つのです!」


そういうと目の前に扉が現れた。

それを開くと目の前に光の道が現れた。

扉をくぐろうとした時・・・


「あ、一つだけ!もし、魔王を倒せずに5回パーティ全滅したら、君は一生天国で働かされるから、気をつけてねー!」


・・・は?

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