第26話 我会社にて奮起

 営業を終えて、会社に戻る。今日の日報を打ち込んで1日が終わるのだが、今日は違った。


「あれ?弥生くんそんなに慌ててどうしたの?」


 声をかけてきたのは直属の上司である美穂さんだった。


「お疲れ様です。 明日彼女と遊園地行くんで早く帰りたいんですよ。」


「えー。デート? いいなー私もしたいよー。」


「美穂さんも綺麗なんですから彼氏作ればいいじゃないですか。 早くしないと三十路になりますよ?」


「あんたのそういうとこ可愛くないわー。」


 そういいながら、俺の首に手を回して絞めてくる。首が苦しいんじゃなく、胸が当たってる方がドキドキして苦しい。


「ちょっっ、美穂さん! 首より胸、胸当たってるから。」


「あんた胸好きなの? 可愛いね~。 だったらもっと押し当ててやるよ!笑」


(またやってるよー。)

(あの2人どんだけ仲いいんだよ。)

(付き合ってるみたいよね?)


 周りからいつものように散々言われている。美穂さんとはいつもこんな感じで絡んでいる。指導係をしてもらっていることもあってかとても仲良くしてもらっている。


「やーよーいーくーん。 美穂くんも随分仲がいいようで。」


「あっ。どうも山下さん。助けてください。」


 山下さんは部長で少ない男性社員だ。年も40才位で未だに未婚。なので、俺が女性社員と絡んでいると大体絡んでくる。


「山下さん、弥生いじめたら私もう口聞かないですからね!」


 何故このタイミングで火に油を注ぐのであろうか? こういうことされるから山下さんに目をつけられるのである。


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