第20話ずっと俺のターン
奈緒を初めて助けたバイト先での出来事を思い出す出していた。何か特別なことをした覚えはない。いつもやっている害虫駆除だった。
「別にいつも通りお客さん助けただけだったよ?」
だが、奈緒は首を横に降る。
「絡まれて助けてもらった後、席まで来てくれて滅茶苦茶謝ってくれてたじゃないですか!! 弥生さんが悪いわけでもないのに。」
「後、会計の時明らかに安かったですよね? 後でレシートの内容と裏見たらご迷惑御掛けしました。って書いてあるし!!
席変わってからのドリンク全部無料で出してくれてたじゃないですか!!」
確かに、あの時は人数も少なかったし狭い席への移動になってしまったで、気を使った部分があった。
「そんなんいつもやってることだから特別じゃないよ。」
「嘘です!! 私達の学校では弥生さん有名なんです。滅茶苦茶優しい店員さんがいるって。」
まさか、有名になっているとは思わなかった。でも確かに名前で呼んでくれるお客さんが増えてるなとは思っている部分があった。
絡まれているグループの子達には申し訳ない気持ちがいつもあり、少しドリンクを誤魔化したり、料理のサービスなどを個人的にやっていた。
「そんなことを当たり前に出来る人に悪い人は絶対にいないんです!! それも、女の子にモテたいからとかじゃないのも解るから!だから私は弥生さんにひかれたんです!!」
まさかここまで誉めてもらえると思っていなかった。それも、俺の好きな人にここまで言って貰えて幸せなんてもんじゃない。
「凄い嬉しいよ! 俺も奈緒のこと好きだ!!」
思わず言ってしまった。そりゃこの展開じゃしかたがない。
「弥生さん。私が告白したからこんなチャンスはないだろう的なやつでテキトーに好きって言ってません?」
そう言われたが俺ももう自分の気持ちに嘘をつく必要がないので素直に伝える。
「本当に好きだよ。素直だけが取り柄だから間違いないよ!」
そう言って笑顔で奈緒を見ると泣いていた。
「そんな笑顔で正直に言われたら信じる以外答えないじゃないですか。」
こうして俺と奈緒は、付き合い始めた。
奈緒の思い出の場所は、俺と奈緒の思い出の場所に変わった。
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