巡り会う――俳句

第12話 五月

『二〇〇四年五月』

悲しみの紫陽花の如移り行く

かなしみのあじさいのごとうつりゆく

2004/05/16

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空蝉や最終電車独りをり

うつせみやさいしゅうでんしゃひとりおり

2004/05/20

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胡桃モ（漢字）ぎまほろばの如砕きけり

くるみもぎまほろばのごとくだきけり

2004/05/20

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懸想文花舞ふ如のまほろば

けそうぶみはなまうごとのまほろば

2004/05/20

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初鰹ファミレスで食べ家で食べ

はつがつおふぁみれすでたべいえでたべ

2004/05/20

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海遠く懸想小包一つ蟻

うみとおくけそうこづつみひとつあり

2004/05/20

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海原や懸想小包一つ蟻

うなばらやけそうこづつみひとつあり

2004/05/20

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海原の懸想文や蟻一匹

うなばらのけそうぶみやありいっぴき

2004/05/20

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海光る深き静寂の水鶏かな

うみひかるふかきしじまのくいなかな

2004/05/22

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海の旅深き静寂の水鶏かな

うみのたびふかきしじまのくいなかな

2004/05/22

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波殺す深き静寂の水鶏かな

なみころすふかきしじまのくいなかな

2004/05/22

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波殺す深き水面の水鶏かな

なみころすふかきみなものくいなかな

2004/05/22

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波殺す静寂にコツコツ水鶏かな

なみころすしじまにこつこつくいなかな

2004/05/22

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静寂さへ波殺しかね水鶏かな

しじまさえなみころしかねくいなかな

2004/05/22

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静寂呼び波殺さへし水鶏かな

しじまよびなみころさえしくいなかな

2004/05/22