第10話 三月

『二〇〇四年三月』


早天や愛妻持たす寒卵


そうてんやあいさいもたすかんたまご

2002/03/05


◇◇◇


りんどうや床屋を過ぎし美の予感


りんどうやとこやをすぎしびのよかん

2002/03/06


◇◇◇


金草鞋履きて求めしつれあいかな


かねわらじはきてもとめしつれあいかな


* 字余り


2002/03/11


◇◇◇


優しさや三月賑わう歳時記


やさしさやさんがつにぎわうだいありー

2002/03/14


◇◇◇


桜咲く同期と呼べと叫びけり


さくらさくどうきとよべとさけびけり

2002/03/14


◇◇◇


春の風くしゃみと共に苛めけり


はるのかぜくしゃみとともにいじめけり

2002/03/14


◇◇◇


どぶどぶと桜傘打つ雨音かな


どぶどぶとさくらがさうつあまねかな

2002/03/26


◇◇◇


雪越しに秩父眺むる燗ひとつ


ゆきごしにちちぶながむるかんひとつ

2002/03/26


◇◇◇


寒さなく六日のあやめ君愛す


さむさなくむいかのあやめきみあいす

2002/03/26


* 季重なり?

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