第5話 伊藤園 お~いお茶 新俳句大賞

『伊藤園 お~いお茶 新俳句大賞 二〇〇四年二月下旬』


愛犬や鳩の影さす日向ぼこ


あいけんやはとのかげさすひなたぼこ

2002/02/20


飼い主と愛犬と共にする日向ぼっこ。

公園には鳩が舞い、影を落とす。

日向ぼっこをしているのは愛犬の方である。

我が家の愛犬は、

志惟七(しいな)と言うミニチュアダックスフントであるが、

柴犬をイメージしている。


◇◇◇


早天や愛妻弁当寒卵


そうてんやあいさいべんとうかんたまご

2002/02/28


明け方から愛する夫の為に愛妻弁当を作る妻。

献立は夫の体を気遣って栄養のある寒卵を使ったものだ。


◇◇◇


梔子や祖母の想ひ出無垢の布


くちなしやそぼのおもいでむくのきれ

2002/02/28


梔子の花は白い。

祖母の想い出の着られなかった嫁入りする時に着る服も白無垢。

今はもうその祖母も亡くなっており、

白無垢さえも想い出の中。


◇◇◇


茶せん梅目をば潤し湯気向こう


ちゃせんばいめおばうるおしゆげむこう

2002/02/28


茶筅の様な梅がある。

熱いお茶の湯気の向こうにその花が見える。


◇◇◇


一服の目をば潤し茶せん梅


いっぷくのめおばうるおしちゃせんばい

2002/02/28


一仕事して、一服のお茶は美味しい。

茶筅の様な梅がある。

その目を潤してくれるのはその花か。


◇◇◇


鳥渡る国境あらずパスポート


とりわたるこっきょうあらずぱすぽーと

2002/02/28


鳥はパスポートも要らずに国境を容易く渡る。

人もこうは行かないものか。

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