オープニング2 少女の精神 (修正版2)
「だいじょぶですか? 起きてくださ〜い……う〜ん、どしよかな?〜」
声が聞こえる。たぶん、女性の声だろう。
それにしても、結構のんびりした喋り方だ。次のセリフが出てくるまでかなり時間が掛かっている。
まだ眠いが……しぶしぶ、目を開け起き上がる。
「……ここは?」
「気が付きました~?」
目を開けたらなんか、ものすごく腹立たしき光景を見てしまった。
なんて表現したらいいのか、ミノタロスよりもでかいというべきか……。エー、ビー、シー、ディ……もう二十六のアルファベットじゃ収まらないって位の大きさ……いや、さすがにないか。
「どーしたの? ぼーと、下向いて……だいじょぶ~?」
「え? いや……大丈夫よ」
適当に誤魔化した。
危ない、明らかに変態行為だよね。スケベおやじじゃあるまいし。
しかし……まあ、咄嗟に頭の中に思い浮かべたもので例えたがミノタロスって何?アルファベットって何? 意味を知らないで使っているが、なんでかな? ……しっくりくる自分がいる。
いや、もうこの際、規格外の大きな物体はほっておこう。そんなことよりも気になることがある。
私は手の平を握ったり、開いたりした。
「なんか……実態がない感じがする……」
そう自分の体は動かせられる。でも、実態感がないように感じる。どうしてなのかわからないけど。
「う~ん……。あ! きっと〜わたしの夢の中ね〜?」
言い切るわりにはハテナを付けるんだな。
「なんでそう言い切れるの?」
「わたしが〜寝た後に……ここにいたのよ〜」
ああ、なるほど、だから実態間がないのか。納得。あれ?待って、じゃあ、なんでこの女性の夢に私がいるの。そう考えると…… 。
「ということは私が人様の夢の中に土足に入ってきているわけね?」
そうなるよね。まあ、人の夢の中に入り込むことなんてできるのかしら。それ以前になんでこんな事になった? ……覚えてない。
「う〜ん、でも不思議ね〜。なんか普段見ている夢よりも現実感がないのよ〜。うまく言えないけど〜」
まあ、いいたいことわかる。ほとんど夢って感じはなく現実感の方が強い。まったく説明できていないし、自分でも何いっているのかわからない。
そういえば……。
「あなた……名前は?」
「カチュアよ〜。よろしくね〜」
あー、名前を聞いたのもなんだけど……明らかに私の方が怪しいのに素直に答えるのね。侵入者は私なのに。
カチュアか……。かなりのんびりした性格のようで、しゃべり方も結構ゆっくりだしね。
外形も改めてみるとすごい美人ね。男もの服を着ているけど……まぁそれはほっとこう。うん、凄い美人だ。特に長い髪と瞳は綺麗な蒼色、中々いないんじゃないかしら。
よく見たら、長い髪には白い細いリボンが付けられている。
それにしてもおっぱいのデカさに反して腕、足、ウェストが細い……背は多分、高い方ではない。もう豊乳手術でも、しているんじゃないかな。
て、なんか、さっきからなんで自分でも、意味の知らない言葉を使っているんだろう?
うん、まあ、とにかく、改めてカチュアはただおっぱいが大きいだけの、キャラ設定ではなかったってことね。……だから、さっきから何言っているの? 私は?
「あなたの名前も聞かせて〜」
「あっそっか……私は……」
あれ? 名前が出てこないどうして? まさか名前すら忘れている?
いや、考えてろ……。
名前は……あおい……あかね……みどりこ……ももこ……ってなんで色が入った名前が出てくるんだろ。色以外を考えてみよう……。アキラ……ナギサ……クルミ……ヒトミ……マサミ……。
なんかどれも、カチュアの名前と比べると違う国の人みたいだな。もう、考えるのが面倒くさくなってきた。
「……う~ん。……取り敢えずはナギでいいかな。目覚めるまで自分が何ものかどころか、名前も覚えてないのよ」
「そのなんですか〜?」
「そうなんですよ。だからあなたに聞きたいことが……」
正直言って、なんでカチュアの夢の中にいるかはわかない。取り敢えず少しでも情報を欲しい私はカチュアに色々と話を聞こうとした時だった。
『大丈夫ですか?』
私とカチュアの声とは別の人の声が聞こえる。
周りには、私とカチュアしかいない。けど、声が聞こえる。
「なんか声が聞こえるね〜」
ここがカチュアの夢なら。もしかして……。
「きっと、現実世界の人が、寝ているあなたに声をかけているのね。とっとと、起きたら」
「う〜ん、どうやって戻るのかな〜? 今まで見た夢とは違うからどうしよ〜?」
そもそも、夢から覚めるには、どうするんだろか?普通に起きればいいのだが、このほぼ現実感の世界じゃ。……ものは試し、適当に。
「頭の中で戻れとでも念じて見れば?」
とか言ってはみた。うん、ホントテキトーに……。
「う〜ん……わかったわ〜。なんか外も危ないみたいだから〜早く起きないと〜」
「どういうこと?」
何か何だかわかないが……。
カチュアが目を閉じると、私の視界も暗くなってきた。いや、まさか……テキトーに言ったことが……本当になっちゃうなんて……。聞きたいことはあったけど……またの機会でいいかな……。
この後、とんでもない場面に、出くわしてします。カチュアがのんびりとした性格と裏腹に、超人だってことが……。
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