SNSと人間関係

白井黒鳥(KS)

第1話

 僕は独りになりたい。

 別に学校で今はいじめられてる訳じゃないんだぜ、学校はなんだかんだ嫌いじゃないし友達と話すのは楽しい。でも何だろう独りになりたい…

 まあ僕はLINEとかTwitterとかも好きじゃないしね。ほんと深夜に大量の通知が来たりするのが好きじゃない。まるで両手両足に鎖で雁字搦めになってるみたいじゃないか。

「はぁ、ほんと嫌い。」すると少しきつい声で「じゃあ消せば?」と言われた。

僕は机に突っ伏してた顔を上げて眉を八の字にしている彼女を見る。目鼻立ちがしっかりしており少しきつい目つきとどこか幼い顔立ちの彼女、斎藤愛子がそこに立っていた。

「なんだよ、愛子。」気怠げに答える、すると少しムッとしたような声で「だから消せばって言ってるの!」と言われた。

「はぁ、消せる訳ないだろ。今は情報の世界だぜどれだけ新鮮な情報を持ってるかで優劣が決まるんだぞ。」すると彼女は「屁理屈ばっか。」その言葉にカチンと来た僕は「うるさいこの脳筋女」と言い返してしまったすると、なによと威勢よく言葉が返ってきたはぁ彼女と話すといつもそうだ。

「もう、私だって色々考えて…」彼女の話が終わる前に僕は席を立った。「じゃあ僕は帰るよ。」と言うと話は最後まで聞きなさいよーと背中越しに聞こえた。僕が廊下に出る前に少し哀しそうな声で「まだ恨んでるの?」と聞こえた。「恨んでねーよ。」じゃあ、と聞こえたが僕は「会わねえよ」と言った。後ろから声は聞こえない、僕は何事もなかったかのように歩き出した。下駄箱についた時待ってるから、みんな待ってるからっと聞こえた。

 中学時代僕には親友たちがいたそいつらとつるんでた時は人生で一番幸せだったと断言してもいい。でもその幸せはある日音を立てて崩れ去った。まぁざっくり言うとスクールカーストのトップたちに僕が目をつけられSNSで僕の悪評がいい広められたってこと、あいつらも最初は守ってくれてたけど、段々怖くてできなくなってくるんだよ。だから最後はあいつらも屈したってことまぁよくある話さ。だから僕は別にあいつらのこと恨んじゃいないさ、でもどうすればいいかわかんないじゃん。そう考えてるうちに僕は眠りについた。

 土曜日愛子からLINEがきていた。(今日の2時みんないつもの場所で待ってるから。)だそうだ。悩んで悩んで僕は会うことにした。会えばこのモヤモヤも解ける気がしたんだ。その日僕は1時間遅れであいつらと会った。多分和解できたと思う。謝られ、喧嘩して、泣いて、最後にはみんなで笑っていた。そして気づけばLINEを交換してグループまで作っていた。

 やっぱりSNSとは縁は切れないな。そう思いながら僕は遊びに出かけた。

 

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