アニマルコミュニケーション~南先生の憂鬱
誠二吾郎(まこじごろう)
第1話「プロローグ」
みなさんはハーレム現象に陥った事はあるだろうか。
いわゆるモテ期。人それぞれと言われるが人間には約三回ぐらい異性にモテるという状態である。なぜ三回なんだって、そんなの俺が知るはずないだろ。だけど長い人生なんだ、三回ぐらいモテ期がきても罰はあたらないだろう。ただモテ期には個人差、個体値なんかがあってか人によったら四回、五回とあるらしい。
時折、周りでもなんでこんな奴がと異性にモテまくった奴がいたが、大体は運動が出来たり、勉強が人よりも出来たりしていた奴らだった。
そういえば、足が速いってだけでモテてた奴もいたが、そいつは今どうなってるのだろう。
ただ人間なにかを持っていなければモテない、そう実感するしかない学生時代だったのを覚えている。
なんでモテるために意識しないといけない。めんどくさいだろう、俺は俺だ。そのまんまの自分を受け入れてくれる人を探したらいいじゃんと、そう思う時期も俺にはあった。
ただ、そんな自分を受け入れてくれる人なんて、ごく一部の人間だけだとすぐ気づかされたね。
現実は非常に厳しい。好きだった人がまったく振り向いてくれない。
それどころか俺以外の人間に好意を寄せていたのである。ある日、体育の授業だったか、その子はどこかなと授業中にキョロキョロと見渡していたら、あろうことか授業中でありながらもなんとキスをしていたんだ。しかもその相手は恋愛相談に乗ってくれていた友人だった。その時は頭を抱えたね。
もともと持っていたモノが違うのだろう。だってそのぐらいでしか考えがまとまらない。現実逃避をしながら自室の布団で涙を流しながら、気づかされたのはいい思い出だ。
それにモテたいがいえに、別の友人と街コンまで行ったにも関わらず、毎回増える連絡先の
丸まっている俺の背中を蹴ってやりたいぜ。そんな女性なんて及びじゃねーよってな。だけどまた間違いを犯しそうで、背中を蹴れない自分がいまだに居るのだけどな。
ただこんな事まで起きているのにも関わらず俺は、無意識、頭の奥底にはモテたいと願っていたのかもしれない。
そんな青春時代を過ごした俺だったが、無駄な日々を過ごしていたわけではない。確か小学校の頃だったかな、学生時代に担任から、
「過去と他人は変えられないけれど、未来と自分は変えられる」と語られて以来、僕は先生と言う職業に魅力を感じていた。
生徒に未来を求めてほしい、俺が学んだことを伝えたい、そんな欲求が次第に身体の中に増えていた。気づいた時には教員試験を受けていたのを覚えている。ここから教師を目指して頑張っていたんだろうなと今でも思う。
俺自身の小さな夢かもしれないが、なれるチャンスがあるのであれば努力はする。出来ないと決めつける奴はほっとけ。放置だ。なんせ自分は自分でしか変えられないんだしな。
そんな俺だけどいまだに慣れないスーツ、ネクタイを着て、全身を汗だくにしながら
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