第??話 確信

 エイギはカエデが『血姫』を扱えたことには驚かなかったが、それで確信したことがある。

[やっぱり、あいつは英雄になるのか]と、

 『血姫』を残したのは過去の英雄だと能力が書かれた紙には書いてあった。

 そして、そこには


《血姫ハ『英雄ノ資質』ヲ持ツ者シカ認メナイ妖刀デアル》


 と書かれていた。

 そのため確信したのであった。

[これはゴンザに報告だな]


 そう思ったエイギはカエデたちが出発した後、すぐにゴンザの家に駆け込んだ。



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 一方ゴンザは、予定がないので畑に水やりをして、ゆっくり朝食をとっていた。

 だが、それはエイギの登場によりぶち壊された。

「おい,ゴンザー!カエデは『血姫』をしっかり扱えていたぞー!」

 と、かなりの声の大きさで言うのでゴンザは短くため息をついた。

「うるさいぞ。少しは周りの迷惑をだな…。まぁ、今はいい。しかし、そうか。やはりあいつは『英雄の資質』はあるのだな」

 少し嬉しそうに言うゴンザ。

 それに対し、エイギは

「まぁ、逆にあいつになかったら誰にあるんだって話にはなるんだけどな」

「そうだな。あいつは物事をはっきりと言えるし、優しさも兼ね備えている。正直、生まれながらの英雄だとも思っていた」

「それは言い過ぎじゃねぇか?」

 思ったことをそのまま言うエイギ。

「いや、あいつは生まれた時に他の子らとは違う雰囲気を纏っていた。ただの勘だがな」

「お前の勘は当たりやすいからな。信用できる。スキルにもなっているぐらいだし」


 この村ではもしもの時に連携が取れるよう、互いの能力を把握しているのだ。

 そのため、村の人のスキルであれば筒抜けだ。カエデがスキルのことを話したのもこれがあるからである。

 因みに、ゴンザのスキルは『直感』だ。


「まぁ、何はともあれ、あいつが『英雄の資質』を持っているということがわかって良かった」

「そうだな。まぁ、あれのめんどくさいところはいろいろなことに巻き込まれてやすくなることだが、カエデの『ステータス超変化』なら余裕だろ」

「だな。カエデが英雄として帰ってくるのを楽しみにしておくか」


 そう言って2人で笑い合った。

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