タイトル未定
かんにょ
第1話「タイトル未定」
小説のタイトルを考えるのが苦手だ。小説を書く上で、タイトルを考える作業くらい面倒なものはないと思う。
これがクラシック音楽なら、たとえば「ブラームスの交響曲8番」だとかそういう味も素っ気もないタイトルであっても許されるのだろうし、絵画でもアンリ・ルソーの「海辺の老婆」だとかいうよくわからないタイトルでも構わないだろうが、小説となるとそうはいかない。
これはひとえに、小説は最後まで読まなければどんな作品なのかがわからないという理由にあるのだろう。音楽ならイントロを聴けばだいたいどんな音楽かはわかるだろうし、絵画に至ってはよほど巨大な絵でもない限りは一目でどんな絵かわかる。だが小説は冒頭の一行を読んだところでどんな内容なのかサッパリわからない。これほど不利なメディアもないだろう。
だから小説の作者は読者に少しでも興味をもってもらえるよう、少しでもマシなタイトルをと呻吟する羽目になる。
自分のものに関していえば「いきなり歴史干渉女子高生」は話の内容は何も考えない段階でタイトルから考えた話なので楽だったし、他人の作品の二次創作なので「いきなりレールガン女子高生」という元のタイトルをもじるだけで済んだ。
余談だが、最初はこのタイトルは「いきなり歴史改変女子高生」というものにする予定だった。だがそうすると毎回歴史を改変しなくてはならなくなると思ったので、必ずしも改変しなくてもよくなるよう歴史干渉という形に落ち着いた。
苦労したのはオリジナルの「/marginal」で、いったいこの内容でどんなタイトルにすればよいやらまったくわからず、苦し紛れに考え出したのがこのタイトルだった。これは青春もので境界という言葉が作中に出てくる話だったから、青年期を意味する
さて、そうしたわけで、小説のタイトルでさえ苦労しているというのに、ただ適当に頭に浮かんだことを書き散らすだけの予定のエッセイのタイトルに凝ったタイトルなどまったく付けたくない。
ゆえに、このエッセイのタイトルは「タイトル未定」とする。
未定というからには「未だ定まらず」でそのうちタイトルが定まるかのようなニュアンスを含んでいるようだが、今後とも新たにタイトルを付けるつもりもない。
このエッセイのタイトルは永遠に「タイトル未定」とさせていただく。
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