第19話 斬空



 俺は、レイと共にメイの肩を支えて牢獄のある部屋を出た。そして、そのまま歩いて分かれ道にたどりつくと、レイに後は任せることにした。



 「レイ。すまないが、後は任せた。俺にはいかなければならない場所があるんだ。今、そこで戦っている友がいるんだ」



 神妙な顔で話した。レイの顔は一瞬曇ったが納得してくれたらしくこくんと首を頷いた。



 「分かりました。でも、死なないでくださいね」



 「ギ、ンさん。し、死なないでください」



 レイに続いてまだ弱っているはずのメイも応援をしてくれた。俺は、その応援を受け止めてエードのいる部屋へと走り出した。



 ─最奥部(エード視点)─



 「はぁはぁはぁ」



 私は、今盗賊団不死の宝石のボスゾームと戦っていた。だが、ゾームは未だ一歩も動いていない。では、何で疲れているかというと私以外の四天王ゲン、セイヤ、ミーサの3人と死闘を繰り広げているからだ。俺は、3人を睨みつけた。



 「あはははは。いいよいいよ、その顔だよ。最高にいい顔だぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」



 ゲンがいつものように変態である。こいつは、頭がおかしい。



 「知るか! お前なんか倒してやる」



 私は、そう言うとゲンとの間合いを一気に詰めるため走った。



 「くらえっ!」



 私の手には魔法で作って剣が握られていた。その剣をゲンに振り落す。


 カーン。


 甲高い音が部屋に響いた。



 「なっ!」



 私の攻撃を止めたのはセイヤだった。



 「はあああ。何すんだよ! 俺だけでどうにでもなっただろ」



 ゲンがセイヤに文句を言っている。その様子を見ているととても味方とは思えない。



 「そうかいそうかい。俺様が助けなければ死んでいたかもな」



 セイヤがさらに挑発を続ける。というか、味方に挑発して何になるんだよ。仲悪いなこいつら。しかし、それなら容赦ないが今のうちに………こいつらを倒す。



 「斬空」



 ゲンとセイヤが口論している間に剣をふるう。まるで、空間ごと切ったかのように。ゲンとセイヤはぎりぎりで気付きかわそうとしたが反応がそれでは遅くお互い体が真っ二つに分かれた。



 「お、の、れ………」



 「ボス………」



 そのまま2人は絶命した。

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