第4話 すいすい!

 素晴らしく言い辛い水面下での茨木の集いという秘密結社、通称「すいすい」は、全国から茨木へ集った精鋭9人からなる組織である。

 彼らは安い一軒家を借り国家転覆を企てていた。

 だがこのご時世。

 文明社会では一瞬で彼らの存在はバレていた。

 だが彼らも馬鹿ではないのだ。

 彼らを急かすのは、ウランちゃんの存在だ。

 原子力駆動のロボット。

 しかも少女の姿を模しており、多くの人間が彼女を好意的な目で見ている。

「原子力駆動のロボットなど、認めるわけにはいかない……」

「あんな作られた女の子に世界が魅了されるなんて間違ってるわ……」

「我々は平和を願う者達である。彼女がいかに真面目で、そして優れているとしても、それを認める訳にはいかない……」

「なにが美少女ロボットだよ、世間の連中はやっぱり馬鹿ばっかりだ……」

「ロボット等という、高度な存在。そもそも人類が工学という技術を会得してしまったその時から、道を踏み外してしまっていたのだ……」

「ああ、ファミマの杏仁豆腐食べたい……」

「ウランちゃんを上手く使えたら、俺達は、いや、俺は……」

「我々は我々の思想を完遂するだけだ……」

「全員死ね死ね死ね死ね……」

…………

(でも、かわいいっ……!)

 彼らの思想で、彼女の存在を決して認める訳にはいかなかった。

 すいすいはリビングで車座にちゃぶ台を囲み、それぞれが顔を強張らせていた。

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