第266話 帰宅の途……。(18)
ペコリ、ペコリとね。
特にさ、今の胡亥さまと子嬰さまの衣装は、金色に輝く細かい細工の王冠に、赤と紫色の皇女さまや淑女さま達御用達の中華風のドレスを着衣している姿──。容姿だからね。尚更胡亥さまが、己の主、覇王籍へとペコリと平伏、会釈をする姿は、大変に絵になる。まるで中華シネマの宮廷内の一シーンのようにね。
と、なれば?
胡亥さまの主である覇王籍自身もいつまでも己の顔! 額! 眉間に皴を寄せ、苦々しい表情をいつまでも続ける訳にもいかない。いかないのだよ。
だから籍は、自身の顔をほころび、緩ませながら。
「いいよ~。胡亥~。俺も悪かった。悪かったよ。こっち~。こちらにおいで~」
と、声をかけ始めるのだ。
まさに皇帝さま、覇王さま的振る舞いで、籍は己の手で『おいで~、おいで~』と、手招きを始めながらねぇ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます