第264話 帰宅の途……。(16)

 と、なれば?



 二人の様子を凝視──。観察をしている籍は、いつものこと。出来事だからと放置──。


 自身の目の前で、今にも暴れ出しそうな牝馬──。じゃじゃ馬娘のことなど放置をして、自身に甘え、戯れてきた覇王妃さまへと。


『おお~。羽~。本当に可愛い奴~。可愛い奴目~。もっと朕の側に寄れ~。そして~、甘え、戯れながら。朕に尽くせ~。早うぅ~。早うぅ~』と。


 覇王妃さまのことを急かし。急かすのだ。


 自分自身に今から艶やか官能的に尽くせとね。と、いうことはないから大丈夫。大丈夫だからね。


 そう、籍は?



 自身の目の前で一触即発状態になっている二人の麗しい戦姫さま──。拍殿と胡亥姫さまへと。


「二人とも、いい加減にしろ! 誰が、仲間、身内同士で争い。争ってもよいと。俺が言った? 言ったか、二人とも?」


 と、問い尋ねる、だけではない。


「俺の横の場所取りで二人が喧嘩をする。仲違いを起こすのならば。もう二人には、俺の左右には座らせない。わかったか? 二人とも?」と。


 籍は少々気の荒い声音で、二人の戦姫さま達、妃さまを諫めるのだ。


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