第251話 帰宅の途……。(3)

 だからどうした? どうしたのだ? 梁殿……。




 いつもの大変に麗しい様子と笑みを見せて欲しい。お願い。お願いだ。と、思っていると?



「お帰りなさいませ~。項羽様~」と。


 女性の声──。


 それも? 覇王妃さまや伯殿よりも、少しばかり目上──。年上の女性だと思われる声音での労いの台詞、言葉が聞こえてきたのだ。


「おう~。帰ったぞ。趙高~」


 そんな、みず知らずの他人というか?



 初めて聞く名の女性なのだが、覇王妃さま? その【趙高】と、言う名の女性は、一体誰? 誰なの? 誰なのだ?



 まあ、こんなことを脳裏で思っていれば。


「趙高~。お前の言う通り。ちゃんと手はず通りにことは進めたぞ。あれでいいのであろう? 趙高?」


「はい。閣下。ありがとう御座います。閣下や武信君様、拍様のお陰で、私(わたくし)達の軍……。秦の章邯と李由の軍は安易に陳勝軍をうち破り敗走させる事ができました。これも、皆閣下と武信君様、拍様の名演技のお陰で御座います」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る