第二章 秦と楚と呉、漢中

第201話 第二部まえがき 夢幻?(1)

「はぁ~。それにしても、昨日のという一日は~? 本当に不思議というか~? 何が何やらわからない一日……。そう~? 夢幻~? 本当に摩訶不思議な日だったような気がする~?」


 と、声を漏らしながら歩く少年の姿……。


 そう~? 学校帰りの制服姿のままでいる。この物語の本当の主人公……。


 そう~? ヒーローになれなかった少年籍の様子が、我等の瞳に映るのだが? 彼の独り言……。昨日彼に起こった摩訶不思議な真夏の怪奇現象への困惑は未だ終わらない。


「う~ん、だから~? 未だに俺は~? 昨日~? 俺自身に起きた怪奇現象が~? 夢幻だったのではないか~? と、思うぐらいだから……」


 と、呟きながら。この物語の主人公に、前作ではなれなかった籍は、帰宅の途につくのだよ。


 と、言いたいところなのだが? 彼はもう既に? 自身の住み暮らす、屋敷の玄関先へと到着するのだ。


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