第259話 叔母上さま登場……(3)

 だが、しかし。しかしなのだ。


 籍がいくら拍殿に誤魔化しをして話しを変える。逸らそうと企てても。彼の彼女は、魔王、般若の如き形相。冷淡な目と瞳で籍を見詰めながら。


「……だから、それがどうしたの、籍? お姉ちゃんが聞きたい。尋ねたい。説明してもらいたいのは、項羽のお化け。化け物女の事では無い。無いの……。あなたに跨り。騎乗をしている。その化け物女は誰? 誰なの? と、尋ねているのだけれど」


 まあ、こんな感じだ。籍の麗しい叔母上、お姉さまは、大変に不機嫌極まりない態度、様子で籍を見下ろしながら見詰めてくるだけではない。


 拍殿は、相変わらず自身の彼、主に騎乗をした状態で、『ふふっ』と、薄ら笑いを浮かべながら、自分のことを侮り。嘲笑う。胡亥姫さまのことを睨みつけ始めたのだ。


 自身の彼、主を今直ぐ返せ、返却をしろと言わんばかりな形相、様子でね。


 だから拍殿と胡亥姫さまの二人が対峙、睨み合い。一触即発状態へと陥るのだ。


 だから籍は、自身の顔色を変えながら二人の様子を慌てふためき様子を窺う【クソ男】へと成り下がる前に。


「……誰が、化け物女だ。淫乱女目。儂の悪口。侮る暇があるのならば。早くこちらを手伝え、変態女が」と。


 物の怪健司と単独で対峙。争いを続けている覇王妃さまは、胡亥姫さまと対峙、睨みを続ける暇があるのならば。


 物の怪健司の暴走、変態行為を止める。排除するのを手伝えと告げるのだ。




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