第257話 叔母上さま登場……(1)

「何をしているの、貴女は?」


「えっ? わらわ? わらわのことかえ?」と。


 自身の首を傾げながら言葉を返す、胡亥姫さまなのだ。と、同時に。


 この声音に見覚えがある二人が声を揃えたかのように。


「……ね、姉さん」と。


「ああ、淫乱女か……(ペッ)」と。


 地面に唾を吐き、悪態をつく覇王妃さまなのだが。


 特に自身の両目を大きく開けながら、自身の本妻、妃さまと言っても過言ではない立場にいる。覇王妃さまの今の最大のライバルと言っても差し支えない拍殿。彼女を凝視して驚愕をしている籍なのだが。


 彼が何故、ここまで驚愕。驚きを隠せない顔。様子でいるのは。皆も彼の様子、容姿を凝視すればわかる通りだ。


 そう。彼は、先程、物の怪健司少年の酸を含んだ攻撃──。


 それも、何故か? 衣服や下着。毛や羽根だけを溶かすことができる大変に優れ物の『カァ~ッ! ペッ!』攻撃──。


 覇王妃さまと胡亥姫を狙った。二人の麗しい姫君を狙った悪質、変態攻撃に対して、二人の戦姫の盾となり。自分の妃二人の麗しく、妖艶、艶やか。ピチピチ、タユン、タユンとした官能的な裸体を世間様に晒すことを防いでみせたのだが。


 その代償で籍自身が裸体──。


 まあ、全面だけ、だったのだが。彼がふと気がつけば。


「あれ?」、『あれ?』になってしまったのだ。


 そう。彼の背後から胡亥姫さま。それも? 彼女自身が魔族のサキュバス化して魔力解放──。人の住む世界と魔物、魔族、妖魔、幽霊、精霊が住み暮らす世界をわけてしまったのだ。


 でっ、胡亥姫さま、自身の魔力を使用して空間を隔てたまでは良かったのだが。


 その後がいかん! いかん! 遺憾砲なのだ!


 そう。彼女は魔力が低下。不足。足りないことになった。陥った。


 だから籍の背後に周り。彼を完全な裸体にして精力補給──。


『プハァ~』、『美味しかった』、『ごちそうさま。わらわの籍』と、両手を合わせたのだ。


 でっ、その後の状態がこれなのだ。


 胡亥姫さまは、未だ魔力が足りないのだろうか? 


 彼女は未だ粘り強く籍に甘えている最中に、何故か拍殿が? 大騒ぎ──物の怪健司へと籍の代わりに勇み、果敢に争い。攻撃している覇王妃さま達の前に、生身の人間。人種の女性なのに現れたのだ。


 それも籍と、胡亥さまがラブラブの最中。サキュバスの彼女が魔力補給。精力補給をしている最中に拍殿が現れたものだから。籍自身は慌てふためきながら。


「こ、これはね。ね、姉さん。ち、違うんだよ。訳ありと、言うか? 健司が魔物になってしまって大変なことになってしまったんだよ。だから羽が只今健司と争っている最中なんだ……。本当なんだよ。姉さん……」と。


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