第137話 覇王妃と伯母上さま? 母上さま? また御対面(30)

 籍はその件、胡亥嬢の嘆願と要望に対して、嫌な顔。不満、不快感を募らせる訳でもなく。


『いいよ』と、快く了承、黙認をするのだ。


 自身の友人、ツレである健司少年が、羨望な顔、眼差しでいようが御構い無く。胡亥嬢の『籍君、甘えさせてよ。お願いだから~』を了承した。


 まあ、そんな事件、出来事が。先程、お昼時の秦学園の休憩時間に起きたのだ。


 覇王妃さまが知らぬ、居ない場所でね。


 でッ、今の覇王妃さまの様子なのだが。


 今の今迄、大きな声と足音、物音を立てながら大騒ぎ。籍の六畳一間の部屋の中を荒らしに、荒らしていた筈なのに、急に静かな御様子、となれば、彼女は大人しくなった?



 またなったということは?



 彼女が、気が済むまで、籍の部屋の中を荒らし。満足! 満足! 満足感が達成。気が済み。己の荒々しくなり高ぶっている気が落ち着き、安らいできたのかな?



 だって覇王妃さまは、急にへたり込み、大人しくなったのだ。ではなくて?



 彼女はふと、己の足元に何かある。あると気が付き拾う。


 そして拾えば覇王妃さまは、その物を『ピラピラ』と捲る。捲るのだよ。



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