第127話 覇王妃と伯母上さま? 母上さま? また御対面(20)

 何せ彼女は? 元祖覇王の女体化した御姿だから。あの信長公よりも手強い女性(おひと)だから。


「うりゃあああ~! わりゃあああ~!」


 と、雄叫びを上げながら。


 籍の部屋のクローゼットの中にある大事な彼の衣服をね? 今度は次から次へとハンガーごと『バキン! バキン!』と、激しく良い音。(笑)出しながら外しては、部屋の中に放り投げ捌く。


「うぎゃ、あああ~! うぎゃ、あああ~! 籍~! 籍~!」と。


 彼女は相変わらず声を大にして叫びながら。愛する籍のクローゼットの中身、衣服が全部出し終えるまで、嫉妬心をあらわにしながら清姫の如く続けたのだ。


 そして出し終えればね?



「チッ、いないか~!」と。


 今更の如く彼女は、舌打ちしながらの悪態をつきながら呟く。


 う~ん、でもさ? 覇王妃さまの、嫉妬心からくる悪態、荒々しい行為は、未だ収まることはない。


 彼女自身が満足! 満足! ああ~、さっぱりした~。ああ~、快感~。だとは、未だ思っていない。


 だから覇王妃さまは、己の紅玉の瞳を鋭く光らせて、次なるターゲットへと視線を変え、睨みつけるのだ。



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