第124話 覇王妃と伯母上さま? 母上さま? また御対面(17)

 そう、生木が割れ、裂ける音が聞こえてくる。


 それも? この下の部屋──。只今籍の母である梁さまが寛ぎ、お昼の連ドラ──。ドロドロとした男女の濃いい恋仲、乱れた奴を、フムフム、ドキドキしながら夢中になり見ている最中に覇王妃さまが、籍や己の部屋と言っても良い程、慣れ親しんでいる部屋のクローゼットの扉を破壊したものだから。


「……ん? 何?」と。


 梁さまは下の部屋──リビングから、己の美しい顔をテレビの液晶画面から上、天井へと視線を変えるのだ。『パリ、パリ』、『モグモグ』と、大好きなポテチをリスやハムスターの如く可愛く食しながら天井──。籍の部屋を見詰め、ではなくて、鋭い目と瞳で睨むのだ。


「(きたか?)」と。


 自身の脳裏で呟きながら。


 でもさ? 当の本人である覇王妃さまは、そんなことなど知らずに、というか?



 己の主である籍には、『お昼は、下の部屋で母さんが昼ドラ見ながらくつろいでいるから静かにするようにと諫められていたにも関わらず。全く気にもしないでこの通り。ワッと、大騒ぎしている最中……というか?



 只今覇王妃さまは、クローゼットの中を覗きこみ探索を始めだしている御様子なのだ。


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